待ちわびた東南アジア

This Time Tomorrow #1

待ちわびた東南アジア

Vietnam

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / 2019.01.07

東南アジアの旅を記録した千葉夏海さんの旅連載「This Time Tomorrow」。旅先でのリアルな様子をお届けします!




一年半くらい前にオーストラリアでのワーキングホリデーから戻ってきた。

セカンドビザを取っていたので、そのまま2年間続けてオーストラリアにいることも出来たけど、9ヶ月ほど経った頃から、オーストラリアでの2回目の長期滞在に飽き始めていたのだ。それと同時に、次は東南アジアを旅したいと、思いが他の国に向きつつあったけど、一人で海外に居られるメンタルの安定を失っていた。短い間で濃密かつ激しい出来事に心を揺さぶられるのは、旅ならではの経験だと思う。という感じで「オーストラリアも飽きちゃったし、今東南アジア行ってもなぁ」と行くところがなくなってしまって、日本に帰ってきたのだ。帰国後どうするかなんて、まったく決めないまま、とにかく闇雲に働き始めた。

"この先どうしよう"

それが私の頭の中に常にぶら下がっている言葉だった。そうこうしてる内に周りの状況がどんどん変わっていく。結婚、出産する友達、違う国にまたワーキングホリデーに行く友達、海外の学校に通う友達、音楽活動で大躍進をする友達…。自分だけが立ち止まってしまっている気分になるときもあった。「もしかして私、日本で物凄い無駄な時間過ごしてるのかも」なんて思ったりもした。自由になりたくて自分から自由になったのに、その自由が自分をチクチクつついてくる。

それでも旅のことを考えるときは、もうニヤニヤが止まらないほど笑顔になる自分がいた。焦燥感や劣等感のまんなかにいるときでさえも。ワクワクがないと生きていけない。
自分を一番ワクワクさせるのは、旅。そして、自分をワクワクさせることができるのは自分。

行きたいところがあるなら行けばいいじゃない。そう思ったら、今まで自分がぐるぐると考えていたことが全て吹っ切れて、今日本で過ごしている時間を大切にしようと思えた。そうしたら実際、大切なものや友達、家族も増えた。日本に帰ってきたからこそ、それぞれの大切な瞬間を一緒に共有することができた。ここまでくるのにかなり時間がかかってしまったけど、それも私のペースだ。

また、旅に出ようと思った。渦巻いていた今までの感情置いてきて、必要なものだけバックパックに詰める。新しい経験を受け入れる準備は整った。

まずはベトナムから。

さぁ、出発だ!



BGM:  Enjoy yourself /  Prince Buster



アーカイブはこちら

Tag

Writer