
No Sleep Ever #2
公園に吸い寄せられる
Contributed by Chika Hasebe
Trip / 2022.08.12
目標に向かって、自ら道を開拓し続ける会社員・Chika Hasebeさんが、眠れない街NYへ旅に出た。誰よりも好奇心に従順な彼女だからこそ感じる、NYでの新しい発見と、心揺らすできごと。
#2
特にNYだからということではなく、公園が大好きである。カフェに行くぐらいなら、公園で寝転んで友人と時間を過ごしている方が性に合っている。
公園の宝庫NYでも、2週間半の滞在期間の大半を公園で過ごした。日本からの友人と一緒に街を回っていた時は、観光目的でピクニック。一人の時は、テイクアウトした食べ物を食べ、読書をし、ぼーっと人間観察や通行人のスナップを撮らせてもらう機会を虎視眈々と目論むなど、目的はさまざま。一人旅に公園の存在は時に心強くもある。

「NY滞在中によく行った場所は?」「 1番印象に残っている場所は?」「 1番面白かった場所は?」 いずれの質問でも名前を挙げるなら、Washington Square Park。立地もあってか、いる人がかなり面白いのだ。NYU生の校庭みたいなものだ。この公園の存在だけで、NYU(New York University)が魅力的に見えるような気がしないでもない。
中央にある噴水周りではカウンターを出して得体のしれない何かを販売したり、路上ライブで盛り上がったり、ライブパフォーマンスで演舞する横ではスケーターが技を練習している。お陰様で噴水周りは終始weed臭い。周りのベンチには、ひとりなんとなく座っている者から、友達と何人かでダベったり、課題をやる者、恋人とイチャイチャする者など多種多様だ。とにかく晴れの日の午後はずらりと並ぶそのベンチも埋まるほど、どこからともなく人が集まってくる。一方West Villege側では、チェス盤が付いたテーブルがずらり。おじさんと大学生らしき若者が真剣勝負している光景が新鮮だ。その近くには僅かながらも芝生スペースあり。こんな狭いところでもタープを広げてピクニックしたいらしい。

ここのBGMは彼らにおまかせ。
彼らを見ていて魅力的に感じるのは、常にベースとしてダウナーな雰囲気が流れていること。なんとなく生き急いでいないというか、生活が趣味の延長線上というか。絶対そんなことない人もたくさんいるんだろうけれど、あの凱旋門をくぐればきっとそんな日常の刺々しさも吸い取られて、滑らかになっていく。そんな”気”みたいなものが流れているような感じがした。

突如現れた『BAD LUCK SPOT』。何かの社会現象にでも巻き込まれているかのような気分に。触らぬ神に祟りなしなので、当然避ける。

滞在中こんないい天気もなかなか珍しかったなぁ。
もちろんその公園だけに入り浸っていたわけではない。NYが誇るCentral Parkにも何度も通った。ここの面白さは交通手段にある気がする。『SEX AND THE CITY』のキャリーとビッグが乗る馬車、東京でもじわじわと来ているキックボード、あとはNYで地味に流行っているローラースケート、それにスティック付きで陸上スキー? なるもので移動する人まで。ブロードウェイで大量発生していた人力タクシーは、ここにもちらほらいた。

遠目からしか見えなかったが、確かにスティックを駆使している。。
Upper Side寄りだからなのか、Lower Sideほどスケボーに乗っている人は多くはなかった。脱線するが、NYでは移動にクルーザーを使う人が多い。東京では移動用、練習用の区別なく一律で、反りのきいている一般的なボードにみんな乗っている気がする。NYが本場アメリカだからスケボーリテラシーが高いのか、そもそも日本ではスケボー禁止エリアが多すぎて移動手段として定着しないためクルーザーが不要なのか、その違いの真相は謎だ。ミーハーなわたしにとっては、やっぱりクルーザーよりも普通のスケボーに乗っている人の方がかっこよく見える。

開脚おじさん、よく見れば足にはローラースケートが。芝生エリアの入り口からどうやってきたのだろう。
Washignton Square Parkと異なり、Central Parkはパーソナルスペースが広いことが特徴だ。広大な土地で点在するベンチ、どこが出口かわからないほど広い芝生エリア、国道並みの公園内の道路。みんな意識して離れているわけではなくて、必然的にグループごとの距離が遠いので、公共の場なのに周りの目が気にならない。芝生の上で上裸で寝転びながらPCでミーティングをしているお兄さん、ありえない自由さで突然開脚を始めるおじいちゃん、ホームレスのおじさんと会話を繰り広げる若者グループ。信じられないほど土地を贅沢に使い、ニューヨーカーに自由を与えているようだ。

Rockefeller Centerにて、夏場でも場所を有効活用。

NYが舞台の映画の定番、バスケコート。
上2つ以外の中堅パークもしくは公園とも呼べない広場もことあるごとに立ち寄った。それぞれ公園自体の特徴といる人の雰囲気が違って面白いから沼だ。ただかっこいいボーダーを見つけるためだけにきたLES Coleman Skatepark。期待通りみなさん惚れ惚れしちゃうほどスタイルはあったものの、ただの贔屓だがわたしの友達もなかなか引けを取らない気がした。


ウッドベースを見るたびに、「わたしもできるよ!」と手を挙げそうになるが、実際はもう何も弾けない。
ちなみにひとつ物申したいことがある。それはみんな公衆トイレの使い方が下手くそすぎるってこと。あまり大きな声でしたい話ではないが、個室に入れば十中八九便器に何かしら飛び散っているし、ペーパーの切れ端や芯はあちこちに散乱。まだペーパーがあればいいが、ないことなんてザラだ。ある時トイレ待ちで後ろにいたおばちゃんはマイペーパーを持参していた。トイレが詰まっていることも多々あるし、そんな劣悪な環境の中で荷物かけが壊れている時は地獄。ましてやトイレの鍵まで壊れていることもある。なぜかトイレの手洗い場のソープは杏仁豆腐みたいな匂いがするし、あちこちに設置されている消毒ジェルは臭いことが多い。今まで何度か海外には出ているが、ここまで当たり前のようにひどい状況に遭遇することはなかった。ただでさえ駅にトイレがない結構シビアな環境の中、やっと見つけたトイレで不快な気分になりたくないので、是非ともニューヨーカーにはしっかりトイレのマナーを身につけてもらいたいものだ。

当時中絶権保護のための運動を行っていた。
Central Parkにて女の子2人の会話。
「え?携帯なに? iPhone10?8?SE?」
そこにいる人の中で最もいい画質の携帯で自撮りしようとするのは、万国共通のようだ。

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Chika Hasebe
1998年生まれ。2023年5月よりロンドンに拠点を移し、報道記者の仕事に従事する一方、フリーライターとしてカルチャーについて発信もしている。











































































































































