Greenfields I'm in love #32

浴衣でパリの街を

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2021.03.26

直感を信じ、ドキドキするものに向かって走り続ける神戸出身の大学生、Aya Uenoさんの連載「Greenfields I'm in love」。自分探しも兼ねたロンドンでの留学生活で、自分の目で見て、肌で感じたありのままの日々の記録をお届けします。

#32

わたしにはグレイスというとってもかわいい9歳のお友達がいる。ある日、彼女のママ、華子さんが出張だったから、nanny(子守り)をすることになった。放課後、お友達の家で遊ぶグレイスちゃんをピックアップする。
家へ着いてから知ったけど、このお友達、数日後にアメリカへ引っ越すみたいで今日が2人で会える最後の日だった。2人はまだまだ遊び足りていなかったから、もうしばらくお邪魔することに。髪をカラフルなリボンで結ってアレンジしたり、菜箸みたいな棒を使った変なゲームをしたりと、向こうのnannyと4人で楽しむ。イギリスの今時な小学生の遊びってこんな感じなんだ! すごく面白くてつい夢中になっちゃった(笑)。
そろそろ帰る時間。2人は名残惜しそうに熱いハグを交わした。また会えたらいいね。グレイスちゃん、少し寂しそう。
グレイスちゃんの家まで、地下鉄で1時間。今日はクッキー作りをする事に決まった。捏ねて丸めた生地の上に、m&m'sのチョコをトッピングした。


猫は二匹いて、名前はパンとバター。

クッキーを焼いてる間にグレイスちゃんが学校で発表するプレゼンを聞かせてもらう。イギリス英語は聞いていてとても心地よい。わからない単語の意味は教えてもらい、わたしが勉強させてもらっちゃった。
オーブンのチャイムが鳴った! クッキーの甘い良い香りが部屋を包む。さっそく味見をしたら、なんだか外国の味がする。サクッとしていてとても美味しい!


m&m’sって、オーブンに入れると絶対割れちゃうよね。

もう夜も遅かったから、グレイスちゃんはクッキーのお皿の横にママへ置き手紙を残してベットへ。しばらくしたら華子さんが仕事から帰ってきた。ちょっと一杯飲もうとワインを開けると、話が弾みまくって、気づけば朝まで呑み明かしていた。綺麗でセクシーでタバコがよく似合う、なんだか魔女みたい(褒め言葉!)な華子さんとの時間はとても楽しく、私はこの日、人生で1番呑んだ気がする。
帰りのウーバーの記憶が完全に無い。次の日はもの凄い二日酔いに苦しみ、もう2度とお酒なんて飲みたくないと思った。

1週間後の金曜日、クラスが終わってそのまま空港へと向かった! 待ちに待ったパリ! 前はフェリーで行ったけど今回は飛行機で行く。友達のまりかとねるがいるから、プランは完全に2人に任せっきり。
空港に着くと、電車でねるの家に向かう。彼の家は厳密には少しパリから外れていて、空港からはとても近く、一本でいけるから楽ちんだ。
駅に迎えに来てくれたまりかに連れられて家に着くと、ドアにまりかお手製の可愛いボードが貼られていた。裏には今回の旅のプラン。実は、この日フライトが何時間も遅れたりと災難続きで疲労困憊していたのだけど、このボードが嬉しくて疲れも一気に吹っ飛んだ! 


いつからか、国際宇宙開発機構の英国支部長に選ばれたらしい。

ねるは得意のカルボナーラを用意してくれていた。ちょうどおなかがペッコペコだった! (フライトは短くて、軽食にピーナッツしか出なかったから)キャンドルをつけて、乾杯! キャンドルは、“Cire Trudon”のもの。すごくいい香りで、今でもこの香りをかぐと、ねるの家での幸せな思い出が蘇る。こんなふうに、記憶を思い起こさせるから、香りは私にとってとても大事なのだ。


おいしかった。

次の日は、日本人のカズさんが運営する『パリちゃんねる』というYouTubeにまりかと出演した。企画は、浴衣を着てチュイルリー公園で夏だけ開催される移動式遊園地を堪能するという、普段なかなか体験できない面白いもの! Cool Japanという日本人の方が営む着物屋さんで好きな浴衣を選び、着付けてもらった。
下駄の音を鳴らしながら、パリの有名どころを散策しつつ目的地へ向かう。当たり前だけど色んな人に物珍しそうに見られた(笑)。


セーヌ川沿いで休憩。この日ねるは終始眠そうだった(笑)。


パレロワイヤルで食べたランチ。


去年もここで写真を撮った。

公園に着くと、普段はがらんどうのそこが完全に遊園地になっていて大賑わい。射的、ボールすくい、ジェットコースターなど色々堪能して、終わった頃には声も出ないほど疲れていたけどすごく楽しかった。そういえば日本にいた時、テーマパークでたまに浴衣コーデの人達がいて、「着崩れるから絶対に嫌」と思っていた私。同じことを(しかもフランスで)する事になるとは! 本当に人生何があるか分からない。


パリの景色を(凄い速度で)一望できた。

後日YouTubeに投稿された動画のコメント欄をみると、浴衣の丈が短くて子供みたいという指摘が結構あった。たしかに、浴衣は短くてくるぶしの上まで見えていた。これには理由があり、フランスでは浴衣をネグリジェにするのが流行しているらしい。それで店内にある浴衣の大半はわざと少し短めに作っているんだって。
確かに夏場は浴衣で寝たらとっても過ごし良さそうだ。日本の文化がこんな風に愛され、西洋風に新しい形で取り入れられているってなんだか嬉しい。


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