Gloomy day All day #11
ゆったりまったり
Contributed by Aya Ueno
Trip / 2023.08.18
#11
次の日、クリスマス当日。子供たちだけじゃなくて、わたしまで早起きしてしまった。多分まだ、6時にもなってない。
窓の外は雪景色だった!
クリスマスツリーの下に置かれた大量のプレゼントを開けずに待つのは、子供たちにとって至難の業だ。テレビを見たりゲームしたり、うろちょろうろちょろとしながら、何度もウィルたちを起こしに行く。ウィルたちは毎年のことながら、少しだけ待たせてから眠そうに降りてきた。
きのうももらったのに、クリスマス当日までプレゼントまで用意してくれていた。可愛い靴下や美味しそうなチョコレートボックス、紅茶、変なおもちゃまで、たくさん。コロナ時代にちなんでマスク、でもそれは、厚紙でできた口元を変身させるもの。子供たちにつけさせると、異様に似合っていた。
大量のプレゼントをみんなで開封して、子供達もやっと満足した様子。そうそう、わたしもみんなにプレゼントを用意して行った。ウィルには日本酒を何本も用意していたから、この日までガラス瓶を持ち歩いて、いつも割れないか不安だったから、一安心。
ラテを飲もうとしたら、リリーがサーブしてくれるみたい。私はいつも使っていた、猫の可愛いマグを彼女に渡した。
彼女が丁寧に淹れてくれるコーヒーを待つ。ゆったりとしていて、何も急がなくていい。普段のわたしはいつも、何かに追われるように焦っていたり、いくつもの事を同時にしようとしたり(要領は良くないのに)、バタバタしていて、たまにそんな自分が嫌いだ。きっとその理由は、わたしが気にしいだったり、自信足らずだったり、せっかちだったりする事に理由がある。ロンドンにいるとわたしは、いつもより少し、のんびり屋だ。私の大好きなじいじは、「のんびりせえ」とよく言う。のんびりするっていいことだ。わたしは、ここにいる時の自分がいつもより少し好きだ。
朝ごはんはイングリッシュ式だった。いろんな種類のパンやチーズにハム、ウインナー。二年前、子供たちはシリアルやポテトを食べていたのに、今日は大人と一緒にパンにバターを塗って同じように食べている。
イギリスのクリスマスは、売店のひとつも空いてない。なーんにもすることがなくて、暇でしょうがない。こんな日は、嫌でも家族でゆったりのんびりするしかない、でも、それがいいのだ。
わたしとみさちゃんとリリー&ポーリーは、暇を持て余して、少し歩いた先にある公園へ行くことにした。クイズを出し合ったり、子供たちの学校の話を聞きながらみんなでゾロゾロと横並びになって歩く。売店が開いていたら、お菓子を買えたのにねというと、ポーリーは空港にはあるらしいと言った。本当にそんなレベルでしかお店がやってなかったら不便なことも多いだろうと思ったけど、いや、1日くらい便利じゃなくたって大したことはないと思い直した。
公園に着いた。スケートパークがあったり、ブランコや遊具があったりとても広い。2人が昨日もらった携帯は、古いからすぐに充電がなくなって切れてしまった。2人はまた少し子供に返ってくれて、私たちはタイヤ型のブランコでおしくらまんじゅうしながら遊んだ。
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Aya Ueno
兵庫県神戸出身、東京在住のWriter/Photographer。学生時代に渡ったイギリス留学を機に、人や、取り巻く空間を魅せる表現に興味を持ち、現在Containerをはじめ、カルチャー、フードメディアにて発信中。
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