Mamma mia! #7

奴との長い戦い

Contributed by Aco Hirai

Trip / may.12.2020

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。お家生活も残りわずか。そんな時に奴らがやってきた。コロナウイルスだろうが、お構いなしの奴らが。

#7

「コロナなので、人が多い大型スーパーには絶対に行かない!」
そう断言していた私が、なぜ先週、意を決してエッセルンガへ行ったのか。

それはちょっと前に奴らが姿を現したから。
奴らは夜行性で、日中は1秒たりとも姿を見せないのに、電気を消した後に、どこからかやってくる。そして、キッチンのシンクの周りで思いっきりストレスを発散して、朝になると何事もなかったかのように姿を消す。
こげ茶色の体に、背中が少し艶っとしていて、大抵の人は嫌い、私も大嫌いな、あいつ。
そう、世間ではGと呼ばれている奴ら。

北イタリアでは少ないはずのG様。
前の家は出なかったのに、今の家は1F&少し古いせいか、標的になってしまったよう。
よく言えばアンティーク、悪く言えば古い物件が多いイタリア。そういう昔ながらの情緒あるイタリアの家が好きだけど、G様問題とはまったく別モノ!

幸い、我が家のG様はお米サイズ、そして、ロックダウン中なのか、今のところキッチンから外には出ない。いっそのことQUARANTINE生活をしてほしいものだ。

暖かくなってきたせいもあるけど、今のこのタイミングは勘弁してほしかった。

15年ほど東京で一人暮らしをしていたけど、G様問題に遭遇したことがなかったので、どうしていいかわからず、とりあえずネットで調べた撃退法にかけてみる。

検索すると色々な記事が出てくる。撃退方法のほかにも、生態やら特徴やらいろいろ。
読むだけで気分が悪くなりそうだったので、読まずに早々とパソコン画面から目を離す。

そしてネット情報によると、スペアミント、ハッカ、ベチバーが効果的と書いてあるが、当然のことながらそんなものは持ち合わせてないので、その辺に置いてあったコーヒー、ペッパー、ビネガーを試してみることに。

その夜、寝る前にキッチンへ行きライトをつけるとG様は楽しそうに走り回っているではないか。

翌日。
「やっぱり、郷に入れば郷に従えだよね」
旅をするときに大事にしている言葉だ。
そう思い、今度はイタリアのサイトに書いてあったものをトライ。

ペッパー、ガーリック、スライスオニオンに1リットルの水を混ぜて1時間置き、さらにそこへスプーン1杯分食器用洗剤を入れて混ぜ合わせると、イタリア製G撃退液の出来上がりだ。この時点で、もはやペッパーやガーリック、スライスオニオンの効果は持続しているのか謎だけど、余計なことは考えず、その液をG様が現れるであろう場所へ垂らしてみた。

その夜、お分かりだと思うが、これも効果はゼロ。
しぶといのが特徴みたい。

というわけで、G様退治のためのスプレーを買いに行って来た。
無駄な抵抗はやめて初めからそうするべきだった。

これで奴がいなくなることを願う!

4月25日。
今日は、イタリアの解放記念日で祝日。



テレビでは、イタリア空軍の飛行機が赤、白、緑のトリコロールカラーの煙を出しながら飛行する美しい映像が流れている。

そして昨日は友人から聞いた「コロナウイルスと人口削減」という都市伝説が気になりすぎてつい夜更かししてしまったので、ゆっくりスタートな土曜日。

ランチはローストチキンと卵とサラダのサンドウィッチ。私はオリーブオイルが大好きなので、パンにたっぷり染み込ませてサンドする。ケチャップは入れたり入れなかったり、気分で決める。



ヨーロッパでは欠かせない出会い頭と別れ際のギュッと抱きしめるハグや、お互いのほっぺをくっつけてチュッチュッとするチークキス。日本人には抵抗があるかもしれないけど、私はそんな温かいコミュニケーションを見るのが好き。
でもご存知の通り、ヨーロッパでコロナウイルスの感染が爆発的に広がった理由がまさにこれ。もちろんこれだけではないけど。
ということもあり、イタリア人にとってこの伝統的な挨拶は今となっては禁止行為に変わり、
今後はお互いの肘と肘を突き合わせるという挨拶に変わった、らしい。
「Hey, what’s up bro」的なね。
テレビでは市長もやっている。


ローマの祭典。首都ローマのあるラツィオ州のVirginia Raggi市長さんと、パルチザン協会代表さんの挨拶。お偉いさんの肘挨拶はなんだか新鮮。

さて、お腹も減ってきたので夕食前に軽くアペリティーヴォ。
買い出しに行った日とその次の日は、フレッシュなパンが食べられるのでブルスケッタを。トマト、ナス、オリーブ、ズッキーニ、サラミにたっぷりのチーズをのっけて。組み合わせ次第で色々な味が楽しめるから好き。焼いている間は飲みながら待つことができるので、まさにアペにぴったり。イタリア人は、アペした後、さらに夕食を食べるけど、私はお酒とコレでお腹が膨れちゃうので、実際夕食だったりする。




美味しい! 簡単! 色鮮やか! ロックダウンが終わってホームパーティする機会があったらこれを作ろう。

イタリア人ではないけど、イタリア国旗を見るとなぜか落ち着く。

たまたま通りがかった道がなんだか可愛くて。

癒される、と思ってカメラを向けたら思いっきり吠えられた。でも可愛い♡

日本から持ってきた炊き込みご飯の素が大活躍。このもっちり感がたまらん! ご飯もキラキラ光って見える。やっぱり日本のお米は最高。

今週のサラミ。EMMEDUE社のSOPPRESSATA。


イタリア語で「押しつぶされた」という意味のソプレッサータは、脂身が少なくてヘルシーなのが嬉しい。これはナポリのお隣、バジリカータ州で作られたもので、ハードなテクスチャーで、辛すぎず甘すぎない食べやすいサラミ。私はこれを小腹が減った時のおやつにしたり、ワインと一緒にアペにして食べる。
ちなみに、私はひとくくりにサラミと呼んでいるけど、イタリア人はこれをソプレッサータと区別して呼ぶのだとか。
なるほど! って感じ。

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