新しいクラスと完璧な日曜日

Greenfields I'm in love #51

新しいクラスと完璧な日曜日

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2021.10.22

直感を信じ、ドキドキするものに向かって走り続ける神戸出身の大学生、Aya Uenoさんの連載「Greenfields I'm in love」。自分探しも兼ねたロンドンでの留学生活で、自分の目で見て、肌で感じたありのままの日々の記録をお届けします。

#51

5ヶ月のジェネラルイングリッシュのコースを終えて、3ヶ月のケンブリッジ検定のコースを受け始めた。TOEFLやTOEICのクラスもあるのに、敢えてあんまり馴染みのないケンブリッジにした理由は、至ってシンプル、その物珍しさだけ。(そういう人いるよね!笑)
ケンブリッジ検定は何種類かのレベルがあり、点数ではなくて合否で判定される。コースがはじまる前に、入った事がなかった図書室で適正クラスをジャッジするテストを受けた。テストの結果、わたしはCAEという思ってたより一つ上のクラスになった。レベルの高いクラスに入れた途端肝心のケンブリッジ検定に受からないと何にもならない。喜んでいいのか、複雑な気持ちで初日を迎え、事務へ行って書類をもらうとき、「あなたは合格ラインに達していなかったけど近かったから入れたわ。」と更に全然嬉しくないニュースを受け取った。

ここにまた、人が更にたくさん入るんだから。



そういえば、イギリスでは地下鉄のことを“underground”というのだけど、わたしの駅は地上、オーバーグラウンドにある。ロンドンの地下鉄の駅の半分以上は、地上にあるらしい。センターに近づけば、地下へと入っていく。

クラスはみんな優しくて意識が高い良い子達ばかりだった。
前と違って、宿題も大量にあるし、小テストもこまめにあるし、何より点数を公で言わないといけない。みんなよくできるから、いつも本当に恥ずかしい。頑張らないといけない!

朝が早まっても、朝ごはんは譲れない。



ある日学校のお友達、クレアとマックと、放課後ブラブラしていたら、innocentというジュースのレセプションがされていた。このジュース、スーパーには必ずあるような人気のフルーツジュースなんだけど、新しくブルー色のものが出るらしい。


新しい味が出るだけで、コベントガーデンに場所を借りて盛大にPRされていた。気になって中に入ると、入り口は黒幕になっていて、その奥には部屋一面真っ青の世界が広がっていた。
一緒にいるクレアの顔まで青く見える。ここは、青の匂いが嗅げたり、イヤホンから青の音が聞けたり、青を五感で体験するコンセプト。食で感じる青は、青色のケーキと、もちろん青色のinnocent。すごく青いのに、着色料も保存料も入っていないらしい。

青色を五感で堪能して、レセプションから退散。消費者も体験できる、この手のPRが大好きだ。イギリスでは、こんな風にちょっと楽しいプロモーション文化がある。

このジュースはケーキより甘かった。



また別の日は、クレアが行きたいというマーケットへ行った。お花のマーケットなんだって! コロンビアロードフラワーマーケットといって、Hoxtonに位置する。マーケットへ行く前にフランス人二人が経営するbig mammaの系列店であり、大好きなレストラン、Gloriaでランチした。
Gloriaは外装も内装も抜かりなく可愛くて、美味しくて、お気に入りのお店だ。大人気だから、予約しないとなかなか入れない。
クレアが大好きなトリュフパスタと、フレンチトーストをオーダーした。

Big mamma系列のお店のお皿はとびきりかわいいのだ。



ごはんを食べた後は、いよいよフラワーマーケットへ。場所に近づくにつれ、花束を手にしている人や、大きな観葉植物を担いでいる人がちらほら増えてきた。
みんな、ファッションがすっごく可愛い。
フラワーマーケットにつくと、そこはたくさんの路面店がぎっしり並んでいてカラフルで可愛いお花がいっぱいいっぱい並べられている。

このマーケットは、日曜日しかやっていないからか歩くのも大変なほど混雑していて、人の流れはゆっくりゆっくりなのだけど、人の手から手へと飛び交う植物はどれも本当に綺麗で、そのスピードが遅く感じることはなかった。
貼られた値段に、目を疑った。どれも日本では到底考えられないほど安い。たしかに、重くても担いで持って帰る価値は充分にあった。

綺麗なお花たち。わたしは、このあと会うリアムがお誕生日だったから、ラベンダーを買った。



ここに訪れる人たちは、若い人からお年寄りまで、本当に幅広い。みんな、誰かを喜ばせたり、お家を彩るために、可愛いお花を選んでいる人たちだらけなんだ。そう思うと、世界一素敵で幸せなマーケットだと思った。

素敵な老夫婦。



夜はリアムと一緒にサムの新しいお家にお邪魔した。ハムステッドヒースにある素敵なシェアハウスから、最近引っ越したのだ。

新しいおうちも中庭があってとても素敵だった。赤ワインで乾杯して、サムの作ったディナーを食べる。

リアムは、いっつも顔が赤い。



やめてぇ〜と日本語で言うリアム。



赤ワインを呑んでちょっぴり酔っ払いながら、ヨガしたり、走り回ったり、庭へ移って、サムのヨーダの演技をみてあげたり(彼は本当に俳優をしているのだけど)、時間が経つのが惜しいくらいとっても楽しかった。恋愛の話もたくさんした。こちらの人は日本より、思いを口にすることに対して重みをもっているように感じる。イギリス人だからかな、距離の詰め方も、そして離れていく時も、なんだか映画みたいでロマンチックだ。日本では告白して、お付き合いをスタートするんだよと言ったら、二人ともびっくりしていた。
いろんなところに行ったけど、ゆったり時間が過ぎて、楽しい日曜日。目に映るものは綺麗なものばっかりで、たくさんドキドキした。

ヨーダの真似をするサム。




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