Sayulitaの踊り子

Own Beautiful Adventure in MEX #3

Sayulitaの踊り子

Sayulita Mexico

Contributed by Nachos

Trip / 2019.08.21

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。彼女にとっての特別な場所、メキシコ・サユリータで過ごした濃密な日々の記録をお届けします。

#3

次の日から私は、いつ彼女と会ってもいいようにカメラも持って海へと向かうことにした。

(私はカメラを専用の水中ハウジングに入れ、足にフィン、つまり足ヒレだけをつけて波がブレイクするところまで泳いでいき撮影する水中サーフフォトグラファーとしても活動しています)



やはりこの日の朝も彼女は海にいた。

海の中で彼女は私を見つけると近寄ってきてハイファイブをしてくれた。

私は、昨日の疑問を投げかけるように「もしかしてあなたはローラ?」と聞くと彼女は「yes」と笑いながら答えた。彼女の名前は lola mignot(ローラ・ミニョ)。

生粋のgypsyfamilyの中で育ち、Sayulitaの踊り子と呼ばれるほど優雅にロングボードを乗りこなす彼女は、世界中を飛び回りSEEAのライダー、デザイナーとしても活躍してる。彼女に憧れている女の子は世界中にいるだろう。その彼女が今、私の目の前にいる。



「今はホリデーでおうちに帰ってきてるのよ」と彼女は微笑みながら言った。

「今日も写真撮らせてね。まだビギナーだけど。」と私はまた図々しくお願いしてスタンバイ。

普段から撮られ慣れているだけあって、海の中でポジショニングがわからなくてフラフラしている私を確認し、写真をちゃんと撮れるように意識してライディングしてくれてる。



ローラの友達、Sayulitaのローカルたちも私の姿を見て、「もっとこっちでポジショニングするんだよ」「そっちはリーフが危ないから気をつけて!」とまだ見ぬアジアの日本という小さな国から来た私に色々なアドバイスをくれた。

この土地に住む人々の優しさが溢れる海の中で、私は夢中でシャッターを切る事ができた。

海からあがってシャワーを浴びていると

「アジアから来た水中カメラマンの子だね! 頑張って!」

「もしよかったら僕の写真も撮ってよ」

といろんな人から声をかけられ、なんだかくすぐったい気持ちになってしまった。



照れくささをごまかすように、キンキンに冷えたコロナを喉に流し込んだ。

サーフィンをしてコロナを飲んでタコス食べてお昼寝して、またサーフィンをしてコロナを飲んでタコス食べて。次はここのタコスを食べてみようなんて言ったりしてそんな最高に幸せな日々がここにはある。



ある時、街を歩いていると「Hi Japanese girl」と声が聞こえた。振り向くと女の人が微笑みながら私に近づいてくる。

「初めまして。私はローラのママよ! ローラ、今おうちにいるから寄ってく?」とお誘いを受け、そのままローラのお家へ遊びに行くことになった。

ローラの家は1階がアートギャラリー兼お店で、2階は住居兼ホテルになっている。

「ちょうど今お店をリニューアルしているところだからちょっとバタバタしてるの」と言いながら、ママがお店の横にある玄関の鍵を開け中に通してくれた。



扉を開けて驚いた。

「何? この可愛すぎる場所は!!」

「女の子なら絶対にウキウキしてしまうんじゃないだろうか」というカラフルな階段が突然目の前に現れた。

独特な色使い、一見奇抜に見える配色。でもどれもなぜかしっくりきてしまう不思議な空間。この家のペイントや壁画などはすべて自分たちで描いているらしく、「さすがアーティスト一家だな」とひとりうなずきながら部屋のひとつひとつに感動しながら中へと進んでいく。リビングではちょうどローラが遅めのお昼ご飯を食べていた。



リビングは深紅の飾り棚で彩られていて、そのひとつひとつの棚に「どこで集めてきたんだろう?」といういろいろなオブジェが置いてあって、なんだかドラマチック。

海が見えるようにと半オープンエアーになっている空間に、大きなレースの布がハンモックとして仕立ててあった。


この床の絵はローラが書いたもの。

共用リビングの奥にはホテルとして使われている部屋が並んでいる。ひとつひとつの部屋の扉は星や月の細工が施されて、どの扉も本当に可愛くて、どうにかこの扉を日本に連れて帰れないものかと真剣に悩んでしまった。

「こんな家に住みたい!」と何回言ったかわからないくらいテンションがあがって家中をウロウロしている私を見て、ローラが少し呆れ顔で「私はお店の手伝いをしなきゃいけないからゆっくりして行って」といい1階へと戻っていった。



その言葉の通りここの住人みたいにリビングに居座り、すっかりくつろいでしまった私。階段を降りお店へ行くとみんな忙しそうにしていたのでお礼だけ言ってローラのお家を後にした。



また別の日の夕方、ローラの愛犬ラッキーとビーチで。

この旅での素敵な出来事はまだまだ続くのです。


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