パスクアと心の違和感

Mamma mia! #155

パスクアと心の違和感

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2023.04.18

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。イタリアで迎える4度目のパスクア(イースター)休暇がスタート。今年も南へ行ってきた。4度目のパスクアで感じたちょっとしたこと。


イタリアで迎えるパスクア(イースター)も今年で4度目。
いまだにこのパスクアという復活祭がピンとこない私(笑)。

今思えば、イタリアに来た当初は、
「イタリアに馴染もう」とか、
「郷に入れば郷に従え」の精神で、
ただ楽しんでいたけど、今年はちょっと違った。

もちろん、パスクアの重要性や、パスクアが持つ意味、どんなことをして過ごす日なのかは、知識として知っているけど、いくら知識を増やしたところで、このルーツを持たない私には残念ながら(まだ)頭でしか理解できないもの。

クリスマスにも宗教的な意味が存在するように、イースターにも同じぐらい大事な意味が込められている。そして、宗教や文化は軽く学んだだけでは身に付かないし、心の中にもなかなか浸透しないものだ。
だからと言って自分自身を無理に宗教行事に馴染ませようとする必要もない、と思う。

もちろん合わせたり、寄り添ったりすることはお互いの文化や環境を尊重するという意味で大切なことだけど、改めて考えてみるとなんだか違和感もあった。

12月にはキリストの生誕を祝う日(とされている)クリスマスを商業的にお祝いし、
年が明けると、当たり前のように神社に初詣に出かける、
ハロウィンの日には仮装パーティをしたり。
そんな日本人である私。
今になると、多宗教か、と突っ込みたくもなる!

そこまで深刻に考えずに、ただ身近にいる人に感謝しながら楽しく過ごせばいい!
TAKE IT EASYなマインドでいい!
と思いながらも、4年目にしてなんだか急に変な感覚に襲われた。

こんなふうにピンとこないまま、自分の置かれている環境や周りの影響を受けて、みんなで食事をして、卵型のチョコレートを割って、コロンバと呼ばれるハト型スイーツを食べて過ごしている人は意外と多いんじゃないかな?

そんなことを考えさせられた今回のパスクアだった。

とかなんとか思いつつも、親しんだイタリア人たちに囲まれて過ごすパスクア休暇は最高だった。


パスクア休暇のため今年も南へ〜。ボローニャでパニーノをテイクアウトし、電車に乗りこんだ。行ってきま〜す。



車窓からの1枚。確か、フィレンツェ〜ローマあたりだったと思う。すごく景色がキレイ。



南に着くと美しい雨上がりの空が迎えてくれた。今年のパスクアはめちゃめちゃ寒かった。真冬並みの冷え込みで、ダウンが手放せなくて、イタリア人たちは声をそろえて「È tornato di nuovo l'inverno(また冬が戻ってきた!)」と言っていた。



南にきたらピザ! と決めている(笑)。アーティチョークのクリームとパンチェッタがのったピザ。これ、めちゃめちゃ美味しかった。また食べたい!!



パスクアなので、卵型のチョコレート頂きました〜。



習慣となりつつある、海に沈む夕日を見に来ること。



4カ月ぶりのLUIGIと夕日。(初日の出風)



スカッと晴れた最終日。お家へ帰りまーす。

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