
This Time Tomorrow #19
友達
Myanmar / Inwa
Contributed by Natsumi Chiba
Trip / 2019.07.16
タジンファミリーと別れて目的地のお寺(Lay Htat Gyi Templeという名前。ミャンマーはとにかく英語表記でも読めない)に着いた。
入口には飲み物やミャンマーの揚げ物料理を売っているお母さんたちがいて、小さくてカラフルな傘を不器用にどうだどうだと見せられる。どうやら観光客向けに写真用の小道具として貸し出してお金をとっているみたい。
外壁の崩れてしまった部分はそのままにしてあるか補強がしてある。寺の中に進むと何も残っておらず、歩くのにもひと苦労するほどボロボロに崩れ落ちている。


何人かの子どもたちとミャンマー人観光客がなにやら楽しそうにワイワイと話していたので、コミュニケーションをとってみることに。子どもたちが私たちのカメラやケータイに興味深々で、そのなかの年長さんの女の子(多分10歳くらい)は赤い傘をもって大人びた表情で写真に写り、写真を撮ってとお願いもしてくる。最初は恥ずかしがっていた子も一緒に写真撮ろうって手をつないできたり、屈託のない無邪気な笑顔がみんなかわいらしかった。

年長さんの女の子にしばらくずっと手を掴まれていると、少し離れた場所に連れて行かれた。みんなから背を向けるように手を引かれる。「どうしたの?」と言うと、胸のポケットからちらり、と上目遣いにお札を見せてきた。
「あ、そーゆうことね。」とその瞬間全てを理解する。これがこの子たちの商売だったんだ。すると他の子が「マニ―マニ―マニ―!」とマニ―の意味を理解してるのかな?と疑ってしまうくらいに単調にこちらに叫んでくる。人差し指の先と親指をこすりあわせながら。(日本とはお金のジェスチャーが違う。ヨーロッパなんかもそう)
写真を撮らせてチップちょうだい商売。子どもだけではなくて大人もよくやるから東南アジアでは珍しいことではない。でもミャンマーの前に1カ月居たタイではなかったから、この子たちに対して「もしかしてチップくれって言われるかな?」という今までだったらあった予感をすっかり忘れていた。
やっぱり”子ども × お金”って違和感しかないし、複雑な気分になる。「マニ―!」と言われるとこちらも「じゃあ、そろそろ行くね。バイバイ」とならざるを得ない。
少し離れたところに居る彼にむかって言った。「この子たちお金ほしいんだって」
「あーそうだったんだ」と彼も瞬時にこの撮影会の意図を理解したようだ。
「お金はあげないよ。だって友達でしょう?代わりにハグするね!」と彼がハグをする。コトバは通じないけど、ここだけは通じてほしい。
バイバイしても遠くからとりあえず「マニ―!」と叫んでくる小さな子どもには無垢で真っすぐな目があった。大人にはない目。無責任ながらにいい大人になってほしいなと願った。
To Be Continued.
BGM : Yellow Bird / Lord Tanamo
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Natsumi Chiba
神奈川県茅ヶ崎在住。20歳のときにいったオーストラリア留学がきっかけで旅にハマる。最近はジャンクのフィルムカメラで写真を撮り始める。好きな音楽はレゲエなど。












































































