ミラノとラストデート

Mamma mia! #14

ミラノとラストデート

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2020.06.30

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。半年過ごしたミラノも今日が最終日。ミラノを後にして次の場所へ向かうことに。

#14

今日でミラノともお別れ。

でも、その前にどうしても行っておきたい場所があるので、最終日の今日はそこでランチをすることにした。

前に住んでいた家からは歩いてたったの7分だったので、仕事したり、勉強したりするときは、だいたいここだった。

それが、DEUS CAFÉ。
日本にいる頃から、ミラノへ行ったら行ってみたい場所リストのひとつだった。

グリーンに囲まれた開放的な雰囲気で、レストランとアパレルショップが隣接。東京だと、原宿にあったけど、ちょっと前に浅草に移転オープンしたとか。



私のクセというか何というか、どこへ行っても自分の行きつけの場所を探すのが好きで、店内には毎回ここに座る、という勝手に決めた「指定席」というものが存在する。
もちろんここでもそう。
コンセントに近くて、何となく収まりのいい場所。



コンセントが使えるという充電を気にしなくてもいい環境に、
wifiもあって、
お腹が減ったら食事もできる、
そして何よりこの開放的な空間がつい長居してしまう理由。
もちろんDEUSのアパレルも好きなので、たまにお買い物も。

コーヒー1杯で長居するのも申し訳ないので、ランチを食べた後に仕事したり、友達と勉強した後にアペしたりすることが多かったんだけど、いつもたくさんの人で賑わっていて、週末は人が溢れすぎて入れないこともあった。
今日、久々に来てみたらお昼前ということもあってテラスが空いていたのでそこへ。

そうそう、ロックダウンあけのレストランのメニューはQRコードに。



ボリュームたっぷりのランチメニュー。焼き加減も選べるんだけど、私はレアの肉があまり好きじゃないのでミディアム。





中に入ると目の前はカウンター。感じの良いスタッフが対応してくれる。ちなみに、アパレルのショップ店員はビックリするほどのイケメン揃い。



久々のDEUS CAFÉを堪能したところで、そろそろ次の場所へ向かうタイミング。

目的地はNapoliのちょっと先、Salernoという街。
ここには友達が住んでいるから会えるといいな。なんてたって、去年マルタ島でバイバイして以来だもんね。

ということで、1日かけて北から南へ。
目的地には夕方到着。
そして、翌朝には地元のクリニック(のようなところ)へ向かった。
そう、コロナウイルスの検査を受けるためだ。
もちろん義務じゃないから受けなくてもいいけど、現状ミラノのあるロンバルディア州は、ピーク時に比べるとだいぶ新規の感染者数が減ったものの、今でも1日200人ほどの新規感染者が出ている。それに比べて西は感染者も少なければ、ゼロの日もある。西に住んでいる人は、正直、北から来る人のことを少し警戒しているんです。
それに、勝手に移動しているのは私の方なので、何となく失礼がないようにと思って。
万が一、私が感染者だった場合、警察がここへ来るまでの私の動向を調べて私が入ったお店全店が営業停止になってしまうので、そんな迷惑をかけるわけにはいかない。

そんなわけで、早速指定された場所へ向かってみる。
エントランスから入ったのに、コロナウイルスの検査だ、と伝えると、看護師さんに裏の方へ回るように指示され、たどり着いたのは、まさに裏!
右を見れば、南国を彷彿とさせるような植物が生い茂り「あ〜、イタリアの夏だな!」って再認識するけど、



左を見ると、赤いテントで隔離された小さな検査室。



ここで採血して1時間後に結果が出る。
結果は、陰性。
もちろん100%じゃないけど、わからないまま新生活を始めるより、今の自分の状態を知ることはとっても大事。
これで、「北から来た人」という奇妙な疎外感もなくなるかな。

検査の結果待ち。



来週からは、西イタリアでの生活をお届けします。
同じイタリアでも東と西とでは、ガラリと雰囲気が変わるのでお楽しみに。


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