The Second-Hand Shop

世界のリサイクルショップ -イタリア編- #7

Contributed by Fumito Kato

Trip / feb.13.2020

雑誌、広告などの撮影の傍ら、世界各地のリサイクルショップを巡り、その国のカルチャー、埋もれゆくプロダクトの発掘をライフワークとして活動しているフォトグラファー加藤史人さん。今回、彼が訪れたのはイタリア。旅先で出会った魅力的なヴィンテージアイテムや食べ物の数々は、必見です。

#7

10/9(wed)

15:00
遅い昼食後、ボローニャ方面へ車を走らせた。
道中、道路脇の林で、手にカゴを下げた人々を見かける。
おそらく、ハーブかポルチーニでも探しているのだろう。
日本同様、様々な食材が旬を迎える9月から10月は、
イタリア各地で‎収穫祭が毎週のように催される。
数日前に訪れたブロンテのピスタチオ祭もそのひとつだ。



ブロンテに滞在した際、私は現地の友人であるヌンツィオに
ポルチーニ狩りに連れていってほしいとリクエストした。
しかし、残念ながらタイミングが悪かったらしい。
ここ最近の晴天続きでは、絶対に見つかりっこないそうだ。

ポルチーニは、雨が何日か続いた後の晴れた日に
たくさん見つかるそうで、その日はポルチーニ目当てに
人々が一斉に山に繰り出していく。
もちろん、人が食べて美味しいものを
動物や虫が見逃すはずはなく、
それは彼らとの競争も意味しているのだが。

このように、街から近い距離に
自然の恵みを享受できる環境が存在することも
イタリアの魅力のひとつと言えるだろう。

16:00
1時間ほどでMercatopoli San Lazzaroに到着。
この店は、ボローニャ中心部から10kmほどの郊外にあり、
体育館のような巨大な店舗と駐車場は、常に人でごった返している。
その理由は、圧倒的な物量とリーズナブルな価格だ。
ここも他の店舗と同様、委託販売の形式をとっているが、
すべてを管理できるのか疑わしいほどの物量である。
しかし、そこはオンラインで管理されており、
顧客が委託している商品の販売状況を
常にチェックすることもできるそうだ。



店舗内中央には、材質や色別で 「なんとなく」 並べられた感のある
品々が山のように積み上がっている。注意深く見ていかないと、
目当ての品をうっかり見逃してしまいそうだ。正に玉石混合である。






無造作に詰め込まれたショーケースも、よく見ると奥の方に。。


バッサーノ(北イタリア)などで作られた古いホーロー製品も。


50年代のTRE SPADE。ここにきて、やっとコーヒーミルもちらほら。

ここでは、50年代のPB製・ポータブル・コーヒーミルやエスプレッソ・メーカーなどを捕獲。
このダルマ型は、イタリア製のコーヒーミルによくみられる形状であり、アルミ製でとても軽い。
カラーリングも、魅力的な中間色のツートンカラーが多いことが特徴だ。

とにかく、物色するのに時間を要する上、ショーケースの鍵を開けてもらうためには
いそがしいスタッフを捕まえる必要がある。
すべてを掘り尽くすには、1時間以上はかかるだろう。


捕獲した品々。ノベルティのペン立てには、イタリア各地の市外局番が網羅されている。


Mercatopoli San Lazzaro
Via Emilia 480/B, 40068 San Lazzaro di Savena
営業時間:10:00〜19:00 (水曜〜日曜)
月曜、火曜定休


18:00
ボローニャ郊外のベッドタウン・Funoに移動。
ほぼ、住宅しかないような街ではあるが、
1軒だけ、実にバランスのとれたリサイクルショップがある。
3人のスタッフ(おじさん)の内、一人は英語が堪能で
意思の疎通ができることもあり、今回が3度目の訪問だ。

だが、いざ着いてみると、なにやら様子がおかしい。
例のおじさんの一人がひどく狼狽し、
他の二人が彼をなだめている。
店内を物色するうちに、この二人は外へ出ていってしまった。
とても取材をお願いできる雰囲気ではなかったので
仕方なく退散する。残念だが、また今度。

18:20
今日の夕食は、ボローニャとフィレンツェの間にある
ポッレッタという片田舎でとる予定だった。
最高のトルテッリーニを出すピッツェリアがあるからだ。
ピッツェリアでトルテッリーニ。なぜか?
気になる方は、ビル・ビュフォード著「厨房の奇人たち」をご参照あれ。
北代美和子氏の翻訳も秀逸です。



あと1軒、本命のリサイクルショップがボローニャにあるのだが、
今日の宿はポッレッタへのルート上にある街・ヴィニョーラでとってしまった。
明日、ボローニャ中心部まで戻るのは、とてつもなく億劫である。
しかし、これからその店を取材してしまうと、ポッレッタに行けない可能性が高い。
1日があと3時間長ければ。。この旅で何度思ったことだろう。
しかし、たとえ1日が27時間だったとしても、
私が30時間を望むことは明白だ。

人間の欲は尽きない。
欲深な旅は加速していく。

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