Go to the Lake

Flohmarkt am Wochenende!! #5

Go to the Lake

Contributed by Kyogo Hidaka

Trip / 2023.05.08

日本から飛び出したくて2週間後に行くと決めたドイツ・ベルリンの街。肌で感じた現地の“mood”、そこには自分が知らずに求めていた“余白と自由”があった。フォトグラファー・Kyogo Hidakaさんが今でも大切に持ち続けている、あの頃の色褪せない記憶たち。

#5


トラムで中心地から少し東に離れた場所の、ある湖へ行った話。
時期は7月の終わりか8月頃だった。気候はカラッとしていて日差しは強く暑かった。日の時間も長かったので、チャンスがあれば「どこか泳ぎに行きたい」とよく思っていた。海まで行くにはベルリンからだと軽い小旅行になってしまうのでなかなか踏み出せずにいると、現地で仲良くなった友達が誘ってくれて午後から湖へ行けることになった。



想像していたよりも湖には人が多く、ビーチのようになっている場所もあって、海に来たと錯覚してしまう箇所もあったが、向こう岸には木々がしっかりと生えていたり、湖らしく木と木の間から入れる場所もあって面白かった。

散歩に来た犬と一緒に泳ぐ男性や、水上に伸びた太い木の枝に座って足だけ浸かってお喋りするカップル、芝生の上に仰向けになって全く動かず眠ってしまった女性など、素敵な人たちが溢れていた。



水の温度は思っていたよりも低く、実際入るとけっこう寒かったのを覚えている。こっちの人は慣れているのかと思ったが、前にいるカップルも割と寒そうにしていたな。
水の中に入って自分の目線も低くなって、他の湖で泳ぐ人たちや、はしゃいで水しぶきをあげる子どもたちが目に入った。

斜め上からの太陽光と水面の反射が綺麗だった。空気も良かった。



岸に上がってそれぞれ好きな形でくつろいでいたので、僕は周りを歩いて写真を撮っていたら、寝ている間に友人がいなくなった青年に声をかけられ、彼のことを撮らせてもらった。







湖から上がり、自宅に帰って夕食の準備をする。大きい鍋にパスタの麺を入れて茹で始める頃、キッチンの縦長の窓から西陽が部屋に入ってくる。

21~22時くらい。サマータイム中の時間の流れは贅沢で好きだった。


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