濃すぎる三が日、<br>無力でも今できることを

To Me, Somewhere in the World #110

濃すぎる三が日、
無力でも今できることを

Contributed by Yoko

Trip / 2024.01.04

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#110


1年のピークは三が日にあると言っていいくらい駅伝が好きだ。残りの362日は消化試合……と言っていいくらいの楽しみだった時期もある(笑)。最近はバスケットボールや他の推しも増えたのでだいぶ分散された。長く楽しめる1年である。


お雑煮でにっこり。長野で。


それでも今でも好きな三が日。物心着いた頃から三が日は朝から昼過ぎまでテレビにかじりついていた。目線を外したのは高校受験時の正月特訓講座に出席した時と、海外で過ごした時くらいだと思う。興味の温度差の増減こそあれど、選手の出身高校、大学、活躍度合いから勝負の結果、オリンピックでの結果うんぬん、コーチ・監督になった姿まで見ていると、目を離す理由がないのである。


いつかの石川・金沢駅。工事中だった。


最近は高校駅伝までは見きれていないけれど、学生時代の有志を覚えている元選手が監督になり、監督同士のドラマまで見せてもらうと本当にもう涙ものである。元々好きだった佐久長聖高校(ランニングフォームが綺麗)がある県に住んでいるのも何かの縁か。甲子園同様、いつの間にやら選手の年齢を追い越してしまったが、仲間との青春はいいなと思わせてもらえる。そういえば、昔の夢は自分の子どもに箱根駅伝を走ってもらうことだった(笑)。


世界一長いベンチ。石川・志賀町。


そんな濃すぎる三が日に、今年はいろいろなことが起きた。今回、自分自身も大きな揺れを感じる地域にいた。また石川・福井・新潟の全てに友人がおり、新千歳→羽田のフライトは自分自身が全く乗る可能性がなかったとは言えない便であり、かつ北九州や秋葉原も知らない土地ではなかった。全てが関係のないことではなかったため、どうしてもニュースやSNSを追ってしまい、自滅なのだが心が苦しくなる日々に。




ハイディワイナリー。石川・輪島。


旅をすることは「自分ごと」が増えることを意味し、それが幸せなことでもあるが、ここまで「何かできないか」と思う出来事が連続したのは初めてだった。そのような中で、安否確認の連絡も含め、寄付以外には何もしないこと、必要以上に知ろうとしないことが、一時的には正しいことであることを初めて体感した。今何かしようとしたってどうしようもない。プロに任せたい。今できることは、今後、飛行機を利用する時に持参するもの、家で備蓄するものを改めて見直すことくらいか。ともかく離着陸時は気を引き締めようと思った。


石川・なぎさドライブウェイへ向かう道。


3.11の時も今回も、自分自身大きな揺れを体感する地域にいたが、電気・ガス・水道などが使えずに困った記憶はない。揺れだけで相当ストレスだろうに、そういう状況に陥ったらどんなに気が滅入るだろう。人が来て成立する商売であれば、風評被害も相当に心配だろう。体感していない以上想像するしかできないし、祈ったところで正直何かが変わるわけではないから難しいところで、ただ、歯がゆい。


いつも泊まる、LINNAS金沢。


せめて心身ともに健康に生きて、助けを求められた時に応える準備をしたい。そして今年こそまた石川を含む北陸に行き、美味しいものを食べて、友人と会って、普通に楽しんで帰ってきたい。石川は金沢だけじゃない。広くて、能登半島の先から南に至るまで面白いところだ。



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  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。