友達がやってきた!

True Feeling in Ireland #39

友達がやってきた!

Contributed by Chika Hasebe

Trip / 2020.12.28

大学生のハセベさんが留学で過ごしたアイルランドの日々を記録した連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女が海外生活の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。

#39

日本の友達のアユコがはるばるダブリンにやってきた。彼女は高校時代の友達。大学に入ってからもたまに連絡していて旅行好きなのは知っていたけれど、まさかダブリンにまで来るとは思っていなかった。彼女いわくマイナーな国に行ってみたかったらしい。まあ確かにかなりマイナーよ(笑)。

アユコが来るにあたって、ホストファミリーに交渉しなきゃと力んでいたが、ママのGerは「全然いいわよ」ってウェルカムな姿勢で受け入れてくれて、布団の用意だけでなく、なんならお昼まで出してくれた。とてもありがたかった。



初めてのダブリンだし友達を紹介したいと思い、市街地をぐるっとした後に、ジャパソのメンバーと予定していたカラオケに連れて行った。日本人のケイトも途中から来たので、3人でJ-POPを歌ったけれど、とにかくジャパソメンバーのガヤがうるさかった。多分もの珍しいカラオケにテンションが上がっていたんだと思う。

夕飯は2人でパブで食べたけれど、アユコは時差ボケがピークに達していて、ほぼ寝ながら食べていたので、早々に市街地をあとにして家に戻った。倒れるように寝るかと思いきや、日本から持ってきた大きな荷物をどさどさと広げ始めた(笑)。





翌日は、かねてから予定を立てていたジャパソのSarahとHugoと私たち2人のゴールウェイ旅行。私もゴールウェイには行ったことがなくて帰国前に行ってみたかったので、思い切ってジャパソの2人を誘ったら、意外にも乗り気でトントンと計画は進んだ。2人ともいつも私と仲良くしてくれていて、初めて会ったアユコのことも同じようにウェルカムな姿勢で迎えてくれた。本当につくづくいい人たちだな。

天気が結構悪く「え? 雨降る? 降らない? いやあ降ってる〜〜」みたいな会話をしながら美味しい海鮮、街並みが素敵な市街地、「Galway Girl」の撮影で使われたと言われるパブを目指してブラブラとした。



フィッシュアンドチップスのお店というかシーフードのお店に入った。どうやら有名なお店らしいと、Sarahがあやふやな知識で教えてくれた。揚げる魚の種類を選べたので、私は聞いたことない名前の魚を選んだ。Sarahに聞いたら日本ではかなりポピュラーな魚だったことがわかった一方、英語名は全然聞いたことがなくて、どちらも印象に残らずすぐに忘れてしまった。アユコはポーションのデカさと味のプレーンさにびっくりしていた。はい、これがアイリッシュクオリティです(笑)。



パブは今まで行った中で一番可愛いというか海の中にいるような気分にしてくれるような装飾が天井いっぱいに張り巡らされていて、アユコはともかくパブ常連の私たち3人ですら結構感動するレベルだった。





そういえばSarahとパブに来ることは珍しい。というのも、誘ってもいつも「パブに行くお金ない」とか言って、結構渋い反応するから今回は新鮮だった。アユコは早くもパブカルチャーに染まって、ビールのパイントをおかわりしていた。Hugoは私たち2人と話して、「日本に行くのが楽しみになった」と言っていた。確かにHugoとはすぐ会えそうだから、再会のワクワク感しかなかった。

翌日からはアユコと2人で私たちはゴールウェイの散策を開始して、HugoとSarahは別行動でゴールウェイを拠点にアイルランドの西サイドを楽しむことになっていた。2人で一応調べた「Dunguaire Castle」は予想以上の強風とお城自体のこじんまり具合に驚愕し、暖をとりたい一心でひたすら栄えているところまで歩いて行った。思っていた観光地と違いすぎて、文字通り予想以上に寒すぎて、帰ることに必死の2人に自分たち自身が笑えてきて、あとから考えてもこんな過酷な観光はそうないと思う。





Hugoたちより一足先にダブリンに戻って、翌日からはオランダ・ベルギーへ。その前に短いダブリン滞在を締めくくるパブでご飯を食べることに。ほぼ初めてと言ってもいいくらいYelpでアイリッシュシチューが食べられるパブを検索し、シティに繰り出した。いつも行くようなパブとは違って、ちゃんと席に座れるような落ち着いた雰囲気で、もちろんアイリッシュシチューもあった。アイルランドらしいことが楽しめて、アユコ的には大満足らしく、喜んでくれて嬉しかったし、なにより遥々来てくれて本当に嬉しかった。



アイルランドではあまりにも天候に恵まれなかったので、オランダに着いたときは曇りだとわかり、「もうこれは晴れとしよう」とかいって笑い合った。初日は市街地をぶらぶらとゆっくりして、食にはこだわるという共通認識をもとに、伝統的な料理が食べられるレストランめがけて歩いて行った。20時ぐらいの少し遅めの時間に行ったので、レストランはいっぱいだったので別を当たろうと思ったが、近隣にはレストランがあまりなく、また同じところに戻った。ウェイターの人が私たちを覚えていてくれて、空いた席に快く通してくれた。いい気分で代表的なメニューを頼むと、まさかの4種類ぐらいのポテト料理が出てきて、「ここでもポテトか!」と2人で爆笑した。



お腹一杯になった後は、レッドディストリクトに行って結構刺激的な光景を目にしてから宿に帰った。自由で歓楽的でいいよねっていう結論に至った。

翌日以降は割と個人行動が多くて、2人とも見たいところに行った感じ。私は一度美術館に入ると沼にはまったかのように抜け出せないので、ひたすら超級名画を見ていた。みんな有名な絵の前に止まっては、写真をパシャパシャと撮り、それ以外はスッと無視する異様な光景が広がっていた。





アムステルダムには美術館が多いだけでなく、事前予約制のところが多いから、行き当たりばっかり系の私には向いていなかった。テキトーにその辺をぶらぶらしてから、マーケットでアユコと合流して、一緒に若者向けのお店が集まる地区に向かった。まだ夕方前なのに店は閉まりがちだったけれど、いい感じの古着屋さんにヒットし、アユコはストールを、私はニットを購入した。





そのまま夜行バスでベルギーに移動。目的は本場のチョコレートを買うことしかなくて、本当になにも調べなかった。そろそろ私も日本に帰国する時期なので、家族に本場のチョコを、しかも日本で買えないブランドのチョコを! と思って、探してたどり着いたのが、MARY。





市街地を各自テキトーに歩いて、戦利品であるチョコレートを見せるべく、異国の地ベルギーの小便小僧の前で待ち合わせ。奇しくもこの日はアイルランド発祥の「St. Patrick's Day」で、緑色のコスチュームを着ていた(笑)。少し歩いたところには小便少女があって、しかもその近くにあったバンクシー作っぽいストリートアートを写真に撮る人が群がっていたが、あとから調べたらどうやら違ったらしかった。





そのあとは骨董市に向かった。ここで5€で電池式のデジカメを購入。テンション上がる買い物だった。それと、かつてベトナムで培った交渉術を駆使して、ピアスをいれるケースも値下げしてもらった。ふらっと歩けば(歩いた距離は相当だが)、素敵な看板やお店にたどり着く街ベルギーは1日でちょうどいいサイズ感だったけど、すごく盛り沢山だったと思う。最後は、2人で早めの夕ご飯を食べた。そうしたらたまたま隣に座っていたおじさんが、私たちが日本語を喋っているのを聞いてなのか話しかけてきて、しかも話を聞いていたら、日本で弟がアイリッシュパブを経営しているらしく、ものすごい偶然にびっくり。そういう偶然もあった旅だったけど、アユコにはすぐ日本で会えるのでサクッとベルギーで現地解散した。彼女はこのあとそのままインドに向かった、つくづく旅行好きなのだ。








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