さほど好きでもない蕎麦を食べてみる、<br>長野では

To Me, Somewhere in the World #97

さほど好きでもない蕎麦を食べてみる、
長野では

Contributed by Yoko

Trip / 2023.09.27

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#97

ぶどうの季節がやってきた。長野に来てよかったことの一つは、果物が美味しいことだ。いろんなものが美味しかった北海道にも、これほど美味しいぶどうやりんごはなかった。長野パープルは本当に美味しい。大粒でほどよく甘いぶどうは、気づいたら目の前から消失している。


ナガノパープルのパフェ。ピセで。


コロナの影響がなくなりつつあり、長野に住んで3年目にして家族(女二人)が初めて遊びに来た。この3人で行く場所と言えばハワイなので、長野にいることにびっくりする。


戸隠神社中社。



善光寺。


さて問題は何をするか。善光寺だけだと半日もつぶせないので、1日は定番の戸隠へ車で。久しぶりの七曲りに苦心する。目的地に向かうまでの間に雨が降り出したので、先に森の駅へ立ち寄った。割と新しい施設だと思うが、土日なのでイベントをやっていたし、レジャー施設も併設していてなかなか面白かった。もちろん物販スペースにはナガノパープルもあった。二人はお土産を山盛り買って自宅へ送っていた。一つ任務完了。


そばの実にて。


その後は中社を見て、蕎麦を食べるための大行列をしんぼうして待ち、奥社をいったん見て、街へ引き返して善光寺。そこに二人を下ろし、自分は車を返しに行くため別れた。それにしても蕎麦どころの混み具合はすごかった。そして寒かった。駐車場に入るまで待ち、車が抜けたら誘導のおじさんの指示に従って抜けた場所に入り、呼び出しボタンがなるまで待ち、店に入って注文してからも待った。それほど長らく待って食べた蕎麦はそれほど好きではないのだけれど、名物なので、誰かが長野に来るとおおよそ食べる。好きではないけれど嫌いでもない蕎麦。


竹風堂が一番好き。


果物を食べて、蕎麦を食べて、栗ごはんを食べて、おやきを帰りの新幹線のお供にして。たっぷり美味しいものを食べて、観光して、彼女たちは帰って行った。その間はずっと二人で喋っていた。子ども(私)はずっと、ほとんどの話を右から左へ流す作業が必要になる。それでも、いつもはここにいない人と、さほど好きではない蕎麦を食べたり街を歩いたりするのは、案外面白いものだなと思った。よく来たな。そして次のハワイは、4月らしい。



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  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。