Mamma mia! #17
酔いと魅惑のアマルフィ
Contributed by Aco Hirai
Trip / 2020.07.21
#17
当日、楽しみすぎて朝の6時に目が覚めた。
まるで小学生。
出発は8時。
サレルノ駅まで電車で行き、そこからはバスで1時間。
真っ先にバスに乗り込み、目を輝かせながら窓から景色を眺められたのも束の間、5分で気分が悪くなり、景色どころじゃなくなった。
そう、酔ったのだ。
斜め前に座るティーンエイジャーがセルフィーに夢中になっている姿を横目で見ながら2席分の座席を占領して横たわった。
バスの窓からは息を飲むほどの美しい光景が広がっているハズなのに、気分が悪くて起き上がることができない。背後からは同乗者の感嘆が聞こえてくる。その度に一瞬座り直し窓の外へ目をやるが、気分が悪すぎてすぐさま定位置に戻る。その繰り返し。
絶賛、酔いと格闘中の車窓から。記事のために何か撮らねば! と思い、とりあえず。
所要時間は約1時間。でも、細い一通を大きなマイクロバスが通るわけだから対向車が来るたびに道を譲り合わないといけない。当然1時間で着くわけもなく、30分遅れでやっと目的地、アマルフィコーストへ到着。バスを降りてからも酔いは治らず、私の食欲と好奇心をみるみる奪っていった。
幸い、アーリーチェックインができたので、高台からの美景がウリの宿へ急いだ。が、宿まではなんと階段が400段。途中までエレベーターがあるが、エレベーターを降りてから150段は自力で上がるしかない。車酔いに加え、フィジカルまで攻めてくるなんてあんまりだ。それでも1段1段ゆっくりと階段を上がり、チェックインすると同時にベッドへ倒れこんだ。
アマルフィという絶景ポイントに辿り着くまでがこんなに過酷だなんて誰も教えてくれなかった。
ホテルで私を待っていたのがこの景色。来た甲斐があった! やっとそう思えた瞬間。
1時間程ベッドで横になれたおかげで気分も良くなり、午後から仕切り直して出かけた。
街へ行くには、登って来た数百段の階段を降り、
街散策で汗だくになったので、シャワーを浴びるため、また150段の階段を上がり、
ディナーのためにまた数百段の階段を降りた。
かなりハードだ。
夕食前。空と海がピンクに染まるロマンティックな夕暮れ。
そして、ディナーを終え、酔っ払った足取りでまた数百段の階段を上がって帰って来た。
階段を上がり宿に着くとロマンティックな夜景が待っているではないか。またここで絶景が私の疲労を吹き飛ばしてくれた。
そして翌日は、アマルフィコーストからさらにバスで1時間先へ進んだ「アマルフィ海岸の宝石」とも呼ばれるポジターノへ出かけた。SNSなんかで良く見るインスタ映えのスポットだ。
今日は何がなんでもバスに乗りたくなかったので、フェリーでポジターノへ。
2日連続でバス酔いはごめんだ。
片道€2のバスに比べてフェリーは片道€9と割高だが、酔うよりマシ。
そして、フェリーなら大丈夫だろうと乗り込んだものの、出航までの10分間、胃が浮いて揺れ動く妙な感覚に耐えきれず、また酔った。
そうしている間にフェリーが出航。走り出してからは、スピードのおかげで酔いがマシになった。
アマルフィ→ポジターノは約30分。フェリーから眺めるポジターノもまた素敵。
南国らしいウエルカムボード。
木漏れ日が心地いい、グリーンと可憐な花のアーケード。両脇にブティックがたくさん立ち並ぶ。
まるでアパレルの展示会に来たみたいなおしゃれなブティック。
素敵なレストランでランチをしたいのに暑すぎて食欲ゼロ。路上で売っているこのレモングラニータばっかり飲んでいた。火照った身体に最高。
アマルフィ海岸では、バイクで移動するのが一番効率的で、気持ち良さそう!
ちょっぴり似てるけど、こっちはポジターノからの景色。
帰りは船酔いせずにフェリーでアマルフィまで戻れた。が、まさかの宿までのエレベーターが運休。なんと、日曜の午後は動いてないらしい。最悪だとつぶやきながら400段もの階段を自力で上がった。
そして、お腹も減ってきたところでレストランへ繰り出し、アマルフィの絶品ワインとやらを、
飲んで、
飲んで、
飲みほした。
最後に、アマルフィのレモンで作ったリモンチェッロも。
やっぱり酔うならお酒が一番。
明日から、サレルノまでのフェリーが出港するので、絶対フェリーで帰る! と決めて、また400段の階段を登って宿へ。
アマルフィ名物? レモンのリゾット。期待していなかったけどかなり美味。
レモンピール入りのエスプレッソ。正直これはちょっと微妙だった。
お土産に買った、ボトルが可愛いリモンチェッロ。
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Aco Hirai
2004年オーストラリア移住、2005年帰国、2019年マルタ島留学、2020年イタリア移住。 海外で活躍する日本人を取材したImhereマガジンを不定期で発信しています。(インタビュイー募集中)