アメリカンハイスクールでの登校日初日 vol.3

Beginning of my new Life #7

アメリカンハイスクールでの登校日初日 vol.3

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2023.11.15

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。



午後の授業一つ目は難題、アメリカンヒストリー。
アメリカンヒストリーは必須科目なので日本にいた頃から留学会社の人たちから基本のアメリカの歴史を学ぶよう教えてもらっていた。とはいえ、どの時代のアメリカを学ぶかはクラスが始まらなければわからない。

もちろん日本の学校では日本に関わる歴史しか学んだことがない。いざアメリカの高校生と同じ土俵に出され、今までアメリカ史を学んできた子たちと同様に英語で学ぶのは難易度が高すぎる。

しかしラッキーなことに一緒にランチを食べた韓国人留学生の子も同じクラスをとっていた。そのため私たちはこの学期の一番ハードなアメリカ史を一緒に乗り越えることができたのだ。韓国人のハヨンと一緒に後ろの席へ座り、何のことかも全くわからない歴史動画を見てプリントを埋める。彼女が一緒にいてくれたことはとても気が楽になり助かった。

最後のクラスは英語(日本でいう国語)。こちらもアメリカの高校生向けの英語なのでもちろん難しい。日本の古文のように、英語も昔の物語を読んでみると単語は現代とは異なるし、数日で本を一冊読むように言わるこのクラスは私にとって地獄だった。
日本で受ける英語の授業とは違い、わからない単語を一単語ずつなど調べていては何週間かけても読み終わらない。さらには、読み終わることが宿題ではなく、その一冊を要約することが宿題なので、このクラスでは周りの助けてくれた子達のおかげで乗り越えることができたと思っている。そして初日からがっつり宿題を出された私。日本の学校とは違って始業式などもない上に、何事も100%で始まるアメリカの学校はメリハリを要求される。

ようは休む時に休み、やる時はやる、やればやるだけ自分の自由の時間が増える。今の私が効率を重視できるようになったのはこの一年の努力の成果だと思う。怒涛の一日を終え、最終関門は自分の乗るべきスクールバスに乗り、家までたどり着くこと。
スクールバスは全員が来るまで待ってはくれず、時間になればさっさと行ってしまう。これは時間との勝負だ。
生徒たちで溢れかえっている中、急いで校舎の外に出て、立っている先生にどのバスか聞く。その後ドライバーに再び聞いて、バスに乗り込むとようやくホッとできるのだ。席に着くと女の子が「あなたのこと私知ってる!」と言って隣に座ってきた。学校初日の私に知り合いなどいたものかと思いながらも女の子の顔を見る。そして「あの交換留学生で集まった日に!」と彼女が言うとやっと気がついた。モルドバからの留学仲間の子であった。



どうやら私がお世話になっているホストファミリーの家は彼女のホストファミリーの家と近所で同じバスだったらしい。英語の拙い私と話してくれて、さらには今度遊ぼうと誘ってくれたことがとても嬉しかった。こんなに可愛くて明るくて優しくてフレンドリーな子は中々いない。

あの日素敵な子だなぁと思ったこの子とは、この日以降毎日一緒に通学した。やっと家に着き、番号を入力して開くハイテクなドアを開くとホストファミリーが待っている。出会ってまだ数日なのに一日中緊張していた私は、ホストファミリーの顔を見てやっと落ち着けた気がする。



「How was your first day at school?」

どうやら心配していてくれたらしい。自分の表現できる限りでこの日の出来事を精一杯に話した。ここがやっとの私の人生のスタート地点な気がする。私自身で選んだ道。容易ではないけれども、挑戦しがいのある道。たくさんのドキドキハラハラな学校生活が始まった。







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