Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #10
Marché
Contributed by Mizuki
Trip / 2022.12.28
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。
#10
リヨンに到着してから毎日暑い日が続いている。部屋には冷房がないから毎朝汗びっしょりで目を覚ます。でも窓を開けると網戸がないから虫が入り放題。だから最近は窓を開けるか開けないかで葛藤している!笑 (暑さvs虫)
このように意外にもフランスのラグジュアリーなイメージとは異なる素朴な生活をしている。
今日は日曜日。スーパーに買い出しにでも行こうと考えたが、フランスでは日曜日レストランや商業施設が閉まるのが一般的。さすがにスーパーは空いているのでは?と思ったがその期待は裏切られた。
日本でも日曜日は休みなのが一般的だが、「日曜日」だからと言ってお店探しで困ったことはない。むしろ休みの日曜に買い物することが多いかもしれない。でもフランスではその逆。出かけるにしても店が空いていないことが多い。日本にいた時の感覚だとこれを不便だとみなすかもしれない。でも今はこれを「フランスらしさ」だと思える。
たしかに前回の留学を振り返ってみても「日曜日=家族で過ごす日」だった。プロヴァンスでは海辺を散歩したり、ホームメイドのサンドイッチを持ってピクニックに出かけたりするのがホストファミリーとの日曜の過ごし方だった。店やレストランに出かけるのではなく「自然」に家族と過ごした日曜日。私はそんな家族とゆったり過ごす日曜日が大好きだった。
でも今日はせっかくのオフ。店が閉まっているとは言えどもこんな天気が良い日に部屋にこもっていられない!
その時パッと頭に思い浮かんだのがMarché (マルシェ)。Marchéとはフランス語でマーケットや市場という意味で、地域で採れた野菜、肉、魚などの食材や衣類などの生活用品も売られている。マルシェ は日曜日の朝だけでも出店していることが多く、元々目星をつけていたマルシェも出店の日だった。
ということで、リヨン最大とも言われるCroix-RousseのMarché へ行ってきた!
日本にいた時のアルバイト先の店長で、偶然にも学生時代にリヨンに留学していた知り合いがいる。Croix-Rousseのマルシェはこの方からのオススメ。日曜の朝にも関わらず早くから沢山の人で賑わっていた。
地域で採れた野菜やフルーツ、チーズ、パン、お肉、お魚などが揃うテントが道の端から端まで並んでいた。日本では普段見ない食材もあって見ているだけでも楽しかった。マルシェでは地域の新鮮な食材に巡り合うことができる。
普通のスーパーとは違い、マルシェでは人とコミュニケーションがより必要になる。「何を?」、「いくつ?」、「いくら?」など、会話を交わしながら買い物をする。
マルシェはローカルの市場。だからお店の人はみなフランス語を話す。久々のフランス人との会話で少し緊張したが、コミュニケーションあっての“Marché”だと実感した。なぜなら、その会話の中でフランス人らしさやフランス人の暖かさを感じられるから。例えば、どのフルーツを買おうか迷っていると「はい、試食しな!」と気前よくその場で皮を剥いて食べさせてくれる。
スーパーでの買い物よりもそんな会話の飛び交うMarchéでの買い物が私は好き。
フランスの市場では花も売っていて、Marchéを華やかな雰囲気にしていた。
日本にいた時は「花を買う」という習慣はなく、「花を買う」と言えばお祝い事や何か特別なイベントがある時のみ。でも、フランス人が花を抱えながら幸せそうに歩く姿を見ると私も花を買いたくなった。
私も花を抱えて寮に戻った。
寮に戻り早速その花を飾ると、部屋が一気に明るい雰囲気になった。それを眺めながらマルシェで買ったフルーツを食べた。その時「なんて素敵な日曜日!」と一人で余韻に浸ってしまった。
リヨンで見つけた日曜の過ごし方。もう店が空いていないからと言って困ることはない。
À bientôt!
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Mizuki
東京の大学に通う21歳。純ジャパフレンチガール。生まれも育ちも日本、フランス語経験もゼロだったが、16歳でフランスへ留学。大学生となった今、再びフランスに留学中。慌ただしい日本の生活とは異なり、時間がゆったり流れる「バカンス大国」=フランスならではのライフスタイル、人生の楽しみ方、について留学体験と共に発信中。趣味は食べること、ダンス、ボクササイズ、ワイン(詳しくなりたい)。