
Beginning of my new Life #51
Huge American House with Ukrainians
Contributed by Asuka Naka
Trip / 2025.03.14
番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け中。
あと何回このウクライナ人の集まりに参加できるだろうかと思いながら、ある日はホストマザーに連れられてウクライナ人のホームパーティーに行った。着いたそこは豪邸中の豪邸であった。日本では見ることのないような家。大きな門を潜ってお家の敷地に入るとアリスインワンダーランドのような世界観があった。家の中を案内してもらうと迷路のように広くて楽しかった。ビリヤードの台もあれば、本格的にお酒が並ぶバーカウンターもある。家というよりもアミューズメントパークのよう。そしてお庭も案内してくれた。広大な敷地の中に私に見せたいものがあるという。日本庭園だ。日本を訪れたことがあり、好きだという。そしてお庭に日本風な門や植物を植えていた。日本風な門の横にはライオンの石像があったりなどして完全な「日本」とは言い切れなかったが、日本を好きでいてもらえるのは日本人としてもとても嬉しい。


国によっては国交の関係で一定の人からあまりよく見られない国などよくある。海外に行く上で国の世間体は消すことができないので、自分の国が周りの国からどう思われているのかは少なからず影響することがある。それでもその人の出身地よりもその人自身に興味を持ってくれる人も多くいる。実際に私が日本人だからと話しかけてきてくれた子で留学後も連絡が続いた子はいなかった。日本人だからこうだ、というようなステレオタイプで判断され、私がそのステレオタイプとズレていても、相手の期待に沿う事はもちろんできない。一方でドイツ人とフランス人の子が結婚するとなれば、それを反対するおじいちゃんおばあちゃんがいる。それは歴史的観点からみて理解できることであるため変えることはできない。今のところ海外にいて日本人だからという理由で不利を感じたことはない。そんな国で生まれたことに感謝でしかない。


そのハウスパーティーには私の好きなウクライナ人の女の子も来ていた。その子は私より少し年上でボーイフレンドと参加していた。初めてウクライナのパーティーに参加した時からラフに話しかけてくれた。ボーイッシュで明るいフレンドリーな子。そしてホストマザーがその子についてこう教えてくれた。あの子は小さい頃に養子として今のアメリカ人ファミリーに引き取られたのよ、だけどウクライナ人であることに誇りを持ってこうしてウクライナコミュニティに積極的に参加してくれているの。
当時、私は日本で養子という言葉をあまり日常で聞くことがなかった。しかしアメリカでは当たり前であり、今まで私の出会ってきたアメリカ人の子たちでも多くの子が産みの親ではない親に育てられている。そして彼ら彼女らは家族をとても大事にしていることに変わりはない。あるウクライナ人のファミリーは日本人の子を養子にしたいと、日本人を家族に迎え入れた。私はその価値観に驚きが隠せなかったとともに、とても素敵だと感じた。最近では多様性という言葉をよく使われるが、これぞ多様性、自由の国アメリカかと実感した。人種のサラダボウルは家族の中でも多様に存在する。なんて面白い国だとつくづく思う。日本にいたらそのような発想はまず思い浮かばなかったであろう。しかしアメリカを経験した私は今でも将来は多様性のある家族を築きたいと思っている。人との出会いで価値観は大きく変わる、を経験した一つの例である。こうして色んな人に出会ったアメリカでの一年は私の価値観を間違いなく大きく変えた。
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Asuka Naka
湘南出身、イギリス在住。アメリカ高校留学を経験し、イギリスの大学に進学。高校生から旅人デビュー。現在はヨーロッパを拠点に旅する真面目大学生。海外生活、旅をトピックにシェア。









































































































































