遠くにも、でも近くにも

To Me, Somewhere in the World #153

遠くにも、でも近くにも

Contributed by Yoko

Trip / 2024.10.30

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#153


長野から白馬へ。感覚的にはほとんど曲がることなく道を真っすぐ進んだだけで、1時間ほどで目的地に着いた。


車内から見かけたおばあちゃん。


途中、道の駅に立ち寄る。長野から方々へ少し車を走らせるだけで、本当にいくつもの道の駅があるのだけれど、白馬のショップにも美味しそうな果物や野菜、秋らしい食材が豊富だった。外で火にかけるのに合いそうなものを見つくろい、宿へ。


Earthboat Village Hakuba.


まさに自然と一体になれそうな宿は、やや没入感のある、森林に囲まれた場所にあった。とはいえ封鎖的な雰囲気はなく、空へのヌケもあり、開放感もあった。




リビングスペースと、サウナスペース。


我々のトレーラーハウスは一番手前。入り口の様子よりも先に、手前にある水風呂が目を引く。サウナ付きのトレーラーハウスは、手前のサウナ入り口と、奥のメインルームの入り口が分かれていて、チェックアウトまでずっと好きに過ごせる仕様になっていた。トレーラーなので、一応、動かせるというのだから、すごい。


足元。


個人的には山より海派。海が見える宿は好んで探すのに、自然と一体になれるような森の中の宿に泊まった記憶は、思い出せるだけでも限りなく少ない。そういえば修善寺のオーベルジュに泊まったことがあったが、グランピングの要素はなく、キャンプをほとんどしない自分にとっては、今回の体験はかなり特別な時間だった。




肉や芋を焼いた。


小さな調理場で焼き芋をして、肉やキノコなどの食材を炊き上げていく炎を見ていると、不思議な気持ちに。本当に、ほんの少し自宅から足を伸ばしただけ…と言いたくなるような近さの場所に、いつも目線の奥に見上げている山々の近くに、「なんだかいいな」と思える場所があることに、嬉しさを感じた。




夜明け前とか。


サウナに少しだけ入り、食事をして、本を読んで…と堪能したのも束の間。こういう場所ではなぜか、信じられないくらい眠りに落ちてしまう。17時過ぎに日が落ちたあと、おそらく18時過ぎには床につき、何度か起きたものの、そのまま日の出前まで目を閉じたままだった。




静かな朝。


何だか勿体ないような気もするが、それでもここに来てよかったと思えるのだから、過ごした内容の濃さと満足度は比例しないらしい。少し暗い時間帯から日の出を見届け、サウナで少しだけ温まる。室内に戻り、朝からコーヒー豆を挽き、そうこうしているうちに出発の時間に。他の拠点も行ってみたいな、とまんまと思う。そして帰路に着いた。



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Writer

  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。