森へ出かけよう

Let's Kiwi time! #13

森へ出かけよう

Contributed by HARU and ASKA

Trip / 2024.07.18

未知との遭遇に「期待」と「夢」を持つ二人のGirlsの出会いは沖縄! 答えのない毎日、迷路のような人生を共にすることを決め、飛び出した先で「見たもの」「出会ったこと」をリアルに発信。現在の舞台はニュージーランド!

#13


ニュージーランドの先住民、マオリには色々な神話がある。

そのひとつが、空と大地の息子、タネマフタだ。
日本人にも発音しやすくて、心地のいい音。マオリの言葉で「森の神」という意味らしい。

ニュージーランドの北島の、さらに北の方でしか見られないというカウリの木。現存しているカウリの木の中で1番大きな木がタネマフタ。



ケリケリのハウスキーパー仲間に、“ドライブするならおすすめの場所” と教えてもらった。住んでいるバックパッカーから1時間半で行けると聞いて、休みの日に行こうと考えていた。すると、その日は突然やってきた!

ある日、夕食を作っていると隣のコンロで料理をしていた子との会話が始まった。坊主頭でメガネをかけていて、なんだかほかの子たちとは違う独特なオーラを放っていた。

ASKAが「あなたの髪型いいね」と声をかけたら、「ありがとう、でもただ楽だからこの髪型でいるんだよ」と返事が返ってきた。イギリスからワーホリで来ている彼女の名前はOlive。私たちと同じく旅を始めたばかりらしい。

お互い料理をしながら少し会話をしていると、いかにもバックパッカー、エスニックなパンツにゆったりめの服を着た女の子がやってきた。その子も坊主頭で、名前はLina。目が合うとニコッとしてくれたので、そこから話が始まるとOliveもそれに加わり、同じテーブルで夕飯を食べた。

Linaはニュージーランド旅の終盤らしく、週末にドイツに帰国するらしい。そして彼女はこれまでもヒッチハイクで旅をしてきたらしく、「明日、ヒッチハイクでタネマフタまで行こうと思うんだけど」と話し始めた。OliveはWow! ヒッチハイク?と驚いた表情。タネマフタは私たちもずっと行こうと思っていた場所。休日にゆっくり行こうと思っていたんだけど、その数分間のやりとりで2人のことが気に入り、一緒に行こうと提案した。

ただし、私たちは仕事があったので、仕事終わりに途中の街のKaikoheという街で彼女たちを車で拾うことになった。

それまで誰かと予定を組むなんてことがなかった私たちは、その日の仕事をルンルンで終わらせた。なんか気が合う気がする、というか、もっと2人のことを知りたい! と自然に思っていた。いつも同僚たちに「今日はこのあと何するの?」と聞かれて、「特に何もないかな」と答えるのがお決まりだけど、予定があるだけでどんどん会話が続くのが嬉しかった。

仕事を終え、Kaikoheへ。数週間前にKiwi(ニュージーランド人)の家族から中古車をゲットしたばかりで、誰かを乗せるのは初めてだ。ヒッチハイクをして先にKaikoheへ来ていた2人は、大通りの芝生に座って待っていた! 日本ではあり得ない光景に、クスッとしちゃう。2人を乗せて、タネマフタへ向かう。



まだニュージーでの車の運転に慣れていなくてビビった私は、ASKAに運転をお願いした。案の定くねくねした山道で、車酔いしてしまった。この数ヶ月で何度車酔いするんだろう。2人と話したいのに、後ろを振り返ったり、英語で話をしないといけないし、車酔いが悪化しそうだったからちょっと眠った。2人がスーパーで買ってきてくれたソルトアンドビネガーのポテトチップスを食べると少し落ち着いた。そんなこんなしているうちに、Waipoua Kauri Forestに到着。





森へ入る前に、自然を守るために靴底の汚れを落とす。実際に、カウリの木たちは恐竜がいたとされる時代が起源になっている古い植物なんだけど、海外から持ち込まれた土や水を介して菌が付着して、枯れてしまう病気が流行っているみたい。すごい責任を感じる。そんなこと、日本では考えたこともなかったな。外国へ入国・出国するときに、土がついてる靴を持ち込めないのはそういう理由もあるんだね。勉強になります。

森の中に入るとひんやりした空気感、ジブリの映画の中みたいな、いろんなものに命が宿っていて、それらに見られているような感覚。数分歩くと、タネマフタが見えて来た。それまで目にしていた木たちも十分大きかったのに、タネマフタは想像以上に巨大だった。



つづく。
HARU




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