Scent of country#0002

ぼくの行きたい町。at Vietnam

Photo&Text: SHINNOSUKE YOSHIMORI

Trip / feb.05.2019

19歳、フランス パリに行った時のことは今でもはっきりと覚えている。映画の世界が、目の前に存在していた。
2018年12月、ぼくは再びパリを訪れていた。
東洋のパリ、ホーチミン。
19世紀フランス統治時代に建てられた、コロニアル(植民地の)様式の建築物が今も数多く残り、当時の面影そのままに街並みを形成している。


空港のロータリーからバスに乗り市内へ向かう。
車窓から見える建物たちは確かにヨーロッパの空気を纏っているように思える。
東南アジアの雰囲気の中にフランス式の建築物が見事に溶け込んでいた。

バスはサイゴンのシャンゼリゼとも呼ばれるドンコイ通りの突き当たりに止まった。
そこにはホーチミンを象徴するコロニアル建築物の一つ、サイゴン大教会。
道端に多く並ぶ露店には目もくれず、自撮りに夢中な観光客たち、玩具売りのじいちゃんは不貞腐れたように自分の店の商品で遊んでいた。



その教会の向かいに建つのは、橙色の外壁と大きな時計が印象的なサイゴン中央郵便局。フランスはパリのオルセー駅(現在はオルセー美術館)の駅舎をモデルにしたと言われている。さらに鉄骨設計を手がけたのが、あのギュスターヴ・エッフェルと聞き、僕の胸は高まった。

ワクワクしながら中に足を踏み入れる。
ガラスと鉄骨が大きなアーチを描き、確かにヨーロッパの駅を思わせるような作りになっている。こんな美しい建物が郵便局として存在し、しかも現役だとは。
なんだか、ちょっと(いや、かなり)羨ましいなぁ。

奥のスペースには地元の女の子だろうか、手紙を書くのが見えた。封筒にはEMSの文字、国際郵便のようだ。
色々な妄想が膨らむ。
この素敵な郵便局から送られた手紙を受け取る、どこかの国のだれかを想像してぼくは勝手に嬉しくなってしまった。
そして彼女の邪魔にならないよう、そっと1枚だけシャッターを切った。





東南アジアといえばナイトマーケット、到着初日の今夜も例外ではない。
夜でも汗ばむような気温、財布をポケットの奥の方にグイッと押しやり街に繰り出す。

ホーチミンの台所、ベンタン市場の周りには大勢の観光客が押し寄せていた。
特に欲しいものも見つからず(冷蔵庫に貼るマグネットを探していたのだが)、遅い時間でも開いていたスターバックスでコーヒーを一杯だけ飲んで宿に戻った。
ベトナムで飲んだコーヒーだから、これもある意味ベトナムコーヒー? 疲れていたのでそのままベッドに潜り込んだ。



2日目、旅の朝はコーヒーから。
散歩がてらにカフェを探す。
ベトナムの朝は早く、早朝から開いている店も多い。
アパートのような建物の前で、談笑しながらコーヒーを嗜む一団を見つけた。
コーヒースポットとでも呼べばいいだろうか、道端にプラスチックの椅子と簡単なテーブルがあるだけで、カフェには程遠い。けどまあいっか。

軽く挨拶し、店員らしき人にcoffee!と伝えると、めんどくさそうに腰を上げアイスコーヒーを作ってくれた。
苦いッ。みんなニヤニヤしてる。この旅”初”のベトナムコーヒーである。
締めにお茶を飲み(味が濃いからだろうか、コーヒーとセットでお茶をだす店が多かった)お礼を行って散歩に戻った。





この日はホーチミンから首都ハノイへの移動日。
空港のある郊外まで向かう途中、多くのベトナム国旗が目についた。なんだか街もざわついている。
それもそのはず、今夜は東南アジアの1位を決めるスズキカップの決勝がハノイで行われる。キックオフは夜だが、優勝をかけた大一番に街全体が浮き足立っていた。
決戦の地となるハノイへの到着は20時すぎ。
いいぞ、楽しくなってきた!

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