引き続きカルチャーショック

True Feeling in Ireland #21

引き続きカルチャーショック

Contributed by Chika Hasebe

Trip / 2020.02.28

大学生のハセベさんが留学で過ごしたアイルランドの日々を記録した連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女が海外生活の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。

#21

家に帰るまでのバスが暇だから日記を書こう。

授業のアイスブレイクとして、週末にやったことを聞かれて、なぜかその返答に詰まってしまった。適切な言葉が出てこなかったのだ。

ほんとに今週は忙しかった。最終エッセイも最終プレゼンもあって、それでいてバイトもあって、自分の周りのクラスメイトも「忙しい忙しい」と言っていた。とにかく忙しないムードが漂っていたけど、「バイトなんて週2日じゃん」ってホストブラザーのDavidに言われて、だいぶ頭の中がクリアになった。日本にいた時、ほぼ毎日バイトして、テスト期間なんか法律の本抱えながらうろうろしてとか、そんな生活のほうがよほど大変だったなってあらためて気づいた。でも、なんかその"大変"っていうのが、必ずしも同じカテゴリーの中の"大変"さではなく、この今の感じもそれはそれでまた"大変"なんだと思う。テストに合格するとか、仕事をやりきるとか、明確なゴールがあるわけじゃないものに向かって、やり方もわからないまま突き進んでいくのだって"大変"なんだ。



アイルランドにもサンクスギビングの日がやってきた。今までそういうのを祝う習慣とかもなく、なにをするかとかコンセプトとかも知らなかったけど、アメリカから留学しにきているEmilyと博学のアイリッシュKyにそこら辺をすべて丸投げして、とりあえずみんなでチキンを食べようとなった。アイルランドでのサンクスギビングの普及度はそこそこ。そもそもアメリカのものだし、そこまで盛り上がっているわけではなさそう。だから、家でも特にチキンが出るわけでもなく、お店もサンクスギビング仕様になっているわけではなく、いつもと同じ感じだった。Emilyがアメリカから友達が2人、観光で来たということで、紹介してくれた。あとから考えると、わざわざ留学している友達のもとに訪れるという絆の深さを思うと、ホストとして迎えるEmilyがすごく羨ましかった。とにかくサンクスギビングらしくみんなでワイワイを夕食を囲むってことがあんまり今までなかったから、心が温まっていいなあと思った。



バイト先に向かったら、バイト仲間のGabby以外みんな知らない人たちでびっくり。トルコ人の新しい女の子に話しかけても、その子と全然話が噛み合わない。わたしのせいなのか、その子のせいなのかわからないけど、とりあえず意気消沈してしまった。でも、そのあとバイト仲間のCharlieでも私の言ってること理解できていなかったし、多分私の英語が間違ってるんだろうなという結論でダブルパンチをくらった。Charlieに至っては、単純に無口でもあるし、なにを考えているかまったくわからない。全然笑わないし。それ日本でやってたら怒られるからな!!!



イクラって"salmon caviar"っていうのかと思って、ホストブラザーのDavidに話したら、そんなの"salmon roe"だよって言われて証拠を突き付けるも「そんなのしらない」っていつものごとく流された。こうしてわたしの学びの機会が減るのだ、兄よ。


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