Mamma mia! #114
お尻グーパン事件
Contributed by Aco Hirai
Trip / 2022.06.28
#114
今週ミラノへ行った時の話。
DUOMOを際立たせる空の青が綺麗だった火曜日。
午前中に仕事を片付けて2時頃の電車に乗ってミラノへ向かった。
私がよく使っているミラノチェントラーレ駅は、メトロはもちろん、バスも鉄道も走る巨大ハブステーションで、今の時期はスーツケースを引きながら歩く旅行者も多く、かなりザワザワしているのだ。
24ホームもあるミラノチェントラーレ駅。ここは到着時のホーム。
駅に着いた私は、いつものようにホームから改札方向へ向かって歩いていた。
その距離軽く100m。
すると、いきなりお尻に何かが当たった。いや、お尻を叩かれた。触られたというよりグーパンされた感じ。
一瞬、びっくりして何が起こったのか状況を把握できずにいた私。
信じられますか、パンチですよ！？
お尻をパンチされることなんて、滅多にあることじゃないからびっくりして、「は？」と言いながら振り返ると、ちょっと離れた斜め後ろにいたのは、本当に変な人。
その変な人を目を細くして睨みながら、痴漢にしてはあまりにも堂々としすぎだし、ふざけてるの？ 暴力なの？ と、色々なことが頭をよぎった。
そして、「何してんの？」と言ったところで、相手には全く通じている様子もなかった。それどころか、私のことを気にもとめず、今度は「タバコくれ〜」というようなアクションをしながら近くの数人にタックルしていた。
アル中なのか、ヤク中なのか、なんなのかよくわからないけど、まともに話ができるタイプではない、と一瞬でわかるような動向だったので、できるだけ距離を取って逃げるように遠ざかった。
もしこれがイタリア人女性だったら、きっとボコボコに殴り返しているんだろうな〜、なんて想像しながら。同時に、そんなふうにやり返せない自分をちょっと情けなくも思った。
そして、巨大ステーション＆旅行者も多いため、いつもならその辺を数人の警察がパトロールしているのに、今日に限って見当たらず、不快な気持ちでいたら、さっきの不審者からのタックルを跳ね返していた男性の一人が声をかけてくれた。
「大丈夫？あいつ頭おかしいんだよ、バールでも入る？」
実際、なんて言っているのかよく聞こえなかったんだけど、彼の雰囲気とアクションがこう言ってた（笑）。
そして、ホームにあるバールでエスプレッソをご馳走してくれた彼は、旅の途中らしくそのまま立ち去った。後になって気づいたことは、彼は英語もイタリア語も話せないフランスから来た人だった。どうりで会話が成り立たないと思った。
改札へ向かう旅行者もたくさん。左に見えるのがホームの警察署。
そして、ちょっとモヤモヤが落ち着いたので、ホームにある警察署へ向かったんだけど、先客が数人いて、なかなか自分の番が回って来なそうだったので、1Fへ降り、駅の外で立ち話をしていた暇そうな警察をキャッチして事情を説明した。
すると、一人増え、二人増え、みるみるうちに7人の警察に囲まれ、
「事件が起きた場所まで連れて行ってくれ、パトロールをする必要があるんだ」と言われ、7人の警察を引き連れて、3つ上の階のホームへ向かった。
7人も行く必要あるの？ と思ったけど、声には出さず心の中にしまっておいた（笑）。
その間、不審者の国籍や肌の色、髪の毛の色、年齢など、色々聞かれたので、覚えている限りの特徴を話した。
そして、現場に到着したが、すでに15分ほど経過していたので、その不審者は見つからなかった。
「被害届け出せるけど、どうする？」
と、警察に聞かれたので、
「出したらどうなるの？」
と聞き返したら、
「（私が伝えた特徴と合う）不審者が見つかった場合に、私に電話をして本人かどうか確認してもらうことになる」
と言われた。
なんだか急に色々と先のことが想像できて、面倒に思えてきた。
そして、時間もなく急いでいたので、7人の警察官にお礼だけ言って駅を出た。
海外に限らず、どこにいてもチカンや暴力はあるんだな、と考えさせられ、次回からは不審者の写真を撮るようにしよう！ と学んだ日だった。
そして、背後にも気をつけるべし！
みなさんも、お気をつけくださ〜い。
ミラノのMOSCOVAという街。「I AM FREE」のTシャツを着たお兄さんがサングラスの移動販売を行っていた。
掘り出し物が見つかりそうなミラノのヴィンテージショップ。
DUOMO付近。
美味しいエビを取り寄せたので、お家でエビパスタを作った日！
想像以上に美味しくできて、大満足なサンデーランチ。
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Aco Hirai
2004年オーストラリア移住、2005年帰国、2019年マルタ島留学、2020年イタリア移住。 海外で活躍する日本人を取材したImhereマガジンを不定期で発信しています。（インタビュイー募集中）
