「初めて」の連鎖、<br>マイアミ・ビーチ

To Me, Somewhere in the World #50

「初めて」の連鎖、
マイアミ・ビーチ

Contributed by Yoko

Trip / 2022.10.26

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#50

7年前の春、友達を訪ねたマイアミ・ビーチ。初めてのアメリカ大陸はマイアミだった。ダウンタウンとはまた雰囲気が格段に違うと言うが、ビーチのそれは穏やかで、でも夜は賑やかで、なんだか丁度良いビーチタウンだった。



海が綺麗だった。



海外で「日本人か?」と聞かれなかったのは初めてだった。初手で「中国人か?」と聞かれてびっくりしたことを今でも覚えている。それまで訪れていた国は日本人にとって身近な国ばかり、マイアミ・ビーチは素敵なのだけれど日本からは距離が遠く、足を運ぶ日本人は少なかったようだ。マイアミへの直行便はなく、行きはロサンゼルス経由、帰りはニューヨーク経由。骨が折れるとはこのことかと言いたくなるくらいの長時間フライト。ビーチに行きたいだけなら「ハワイで十分」。

とにかく街を歩いてみればなるほど確かに、日本人以外のアジア人ばかり。日本人だよ、と答えながら歩く道は新鮮だった。



なかなかディープな飾り付け。



街を歩けば小さな店がよく目に入る。とにかくたくさん歩いた気がする。街を歩き、気になるお店に入り、面白いものをたくさん発見した。

そういえば、個人的に、日本人を含めどんな人種の人でも、基本的には海外で誰になんと話しかけられようが無反応をつらぬいているのだが、この時だけ同じ宿に泊まっていた女性とたまたま口を聞いた。それがきっかけで共に街を歩き、お昼ご飯を食べた。友達と合流したあとも少し一緒に過ごして、これから南米に行くという彼女を見送った。なつかしい。初めての扉を開いてみたら、今に続く出会いが待っていた(彼女とは今もSNSでつながっている)。



アメリカ合衆国最南端・サザンモストポイント。



キーウエストにも足を伸ばす。現地のツアーで、連れて行ってもらうだけのプラン。シンボル的スポットは長蛇の列で、ご多分に漏れず私たちも並んで写真を撮った。この場所からというよりは、たしか着くまでの橋の上から見る海がとても綺麗だった。このあたりは本当に海が綺麗だったのが印象的。

ココナツジュースの作り方が斬新。



派手の化身。



それにしても、久しぶりに当時の写真を振り返ると、カルチャーショックというか、あの時「なんだこれは」と思った鮮度そのままの景色がそこにある。「初めて見るもの」のオンパレード。純粋な好奇心、探究心。新しいものとの出会いってなんでこんなに魅力的なんだろう。





フリーハンド・マイアミ。プールがある。



泊まったのはフリーハンド・マイアミ。ゲストハウス的な宿で、ラウンジやプール、プールサイドのエリアが広くて楽しかった。人生で初めて美味しいビールだと思えた「アングリーオーチャード」は見つける度に買ってしまう。りんごのビールで、今思えばシードル寄りだと思うが、当時はその味の美味しさに感動した。何本も飲んだ。

そうして友達たちと楽しい夜を(多分明け方まで)過ごした次の日、人生初めて「起きたら昼過ぎ」という状況に陥り、友達からの怒涛の着信履歴に心底驚くのであった。

*

そんな「初めて」の連鎖で過ぎていったマイアミでの時間。行きのトランジットで降りたラスベガスからのハリウッド、帰りのニューヨークからの超ロングフライトも含めて、忘れられない旅の一つだ。


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