Water Refill

Couch Surfing Club #32
西海岸ロードトリップ編

Water Refill

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2023.03.09

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#32

一度家に立ち寄りゴルフ道具一式を荷下ろしして、水用のタンクを後部座席にくくりつける。
向かうのはNew World Waterだ。


こちらが御用達のお水屋さん。


水そのもの、タンク、水筒など水にまつわるものしか扱っていないけど、利用客は多くていつもたくさんのリフィルをしにきていた。
まずオゾンステーションで空になったタンクに少量の水を入れ蓋をしてからブンブン振り回してタンク内を綺麗にする。

友人のおすすめは2種類ある水を1対1でブレンドするのが十八番らしい。
目分量でタンクが半量埋まったらもう一つの水をギリギリまでfill inして完了。
これが結構楽しい。

満杯になると一つ当たり7-8Lになる貴重な水、落としても割れにくいタンクだけど持ち方を間違えたら自分も怪我をしそうな危険物感。
慎重に外へ運び出せるキャリーの荷台にタンクを積み込み車へと向かった。



反対車線に車を停めていたので、よく左右確認をしてから、わたしが前、友人が後ろでキャリーを押さえて少しだけ足早に車道を横断する。

若干の斜面がある車道ではタンクの重みでキャリーが勝手に動いてしまうのを防止するためのストッパーもキャリーについてきた。
アナログだけど隅におけない肝心なやつ。
友人がキャリーを返却しに行くというので先に車内で待っていると外で知り合いに遭遇した友人が世間話をしているのが聞こえてきた。



大事な水を買った後は近場で日課のお散歩に。
ビクトリア調の家が多く建てられているArcata周辺では100年以上丁寧に使われてきたお家が点在していて、一番古い家だと1888年建立の家があり今でも改修を続けて住んでいるという。
気になって調べてみたら地震大国日本で現存の1888年竣工の建物は北海道庁旧本庁舎がそれにあたるらしい。
寺社仏閣や世界遺産に登録されているレベルの建築物は日本に古いものはたくさんあるけど、個人宅となると岐阜の白川郷くらいしかパッと思い浮かばなかった。
もう少し日本の歴史の勉強もしておかないと。
ちなみに白川郷の合掌造りがいつ始まったかは定かじゃないらしいけど17世紀末に原型ができたと推測されているよう。
ネット情報より。

「この家の植木いつも手がこんでてすごい面白いんだよ」
「あほんとだ!これなんかゲームかアニメのキャラだよね」

道路に面した3面の植木が綺麗に、そして愉快に刈り込まれている。


このキャラクターどこかで見たことがあるんだけどな、なんだったっけなあ。


読者の方で分かる方がいたら教えてほしい。


これは一対のクジラ、ちょうど水を噴き上げてるデザイン。



そしてこちらはドラゴン、遊び心とユーモアがあってほんとに上手!


近所に住んでいる子供たちは楽しいだろうな。


秋の匂いを犬に確認してもらって、お散歩は終了。


McKinleyvill へ戻る途中移動遊園地を見つけたので、前を通過したけど準備中だった。
車内で友人と移動遊園地に行ったことがあるか話した。





「わたし小さい頃に連れて行ったもらった記憶あるよ」
「どんなだったか覚えてる?」
「覚えてるよ、すごい悲しくなったの覚えてる」
「悲しくなったの?!なんで??」
「だって象とか芸を披露してくれるんだけど、すごいそれが可哀想に見えたんだよね」
「人間にこき使われてて?」
「そう、全然生き生きとしてなくて、空中ブランコも見てて怖かった」
「まあ一回行けばいいよね」
「うん、そんな感じだった」


楽しいはずの遊園地の思い出話には花は咲かず、最後スーパーへ買い物に立ち寄ったけど買い物袋を忘れてたからトレイルベストの前ポッケにワインボトルと巨大なナスを突っ込んで車に戻る。



車内で待っていた友人がわたしを見て
「それ搾乳機みたいだよ」
と盛大なツッコミを入れて大爆笑しながらいろんなタスクをこなした一日に満点のオチをつけて家路についた。


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