U-Bahn

Flohmarkt am Wochenende!! #4

U-Bahn

Contributed by Kyogo Hidaka

Trip / 2023.04.10

日本から飛び出したくて2週間後に行くと決めたドイツ・ベルリンの街。肌で感じた現地の“mood”、そこには自分が知らずに求めていた“余白と自由”があった。フォトグラファー・Kyogo Hidakaさんが今でも大切に持ち続けている、あの頃の色褪せない記憶たち。

#4


夜の地下鉄、クロイツベルク方面へ向かうU8の電車の中、僕らの向かいの座席にカップルが座っている。2人とも黒で統一されたファッションで男性のレザージャケットと女性のファーコートのバランスが可愛かった。

2人が笑いながらお喋りをしたり、一緒にどちらかのスマホを覗き見たり、路線図に向かって指差しをしたりする姿がとても画になっていて、思わず首にぶら下げていたカメラでシャッターを切った。ファインダーを覗いて撮ることはできなかったのでお腹あたりにあるカメラのレンズを彼らにそっと向けてシャッターを切った。その後も向かいの車線を走る電車の光で彼らの背中が少し照らされ、再度シャッターを切る。



彼らが降りる駅は僕らと一緒で、先に出る2人は僕を見てニコッと笑顔を向ける。ホームで待っていた2人に声をかけられ、僕はまたホームで彼らのポートレートを撮影した。
フランスから来たという2人はこの後一緒にベルリンのクラブへ踊りに行くようだ。








深夜のカフェバーに、横並びで肩と肩を寄せ合いながら楽しそうに会話をする女性2人がいる。僕は2人から感じられる幸せな空気に心が癒され、見惚れてしまう。
一緒に来ていた友人にも伝え、写真も撮りたくなった僕は声をかけようと試みたが、席が離れていたので悩んでいると彼女たちは店を出てしまう。
少し悔やみながら帰っていると、U7の駅のホームで本数が少ない深夜帯の電車を待つ2人にまた出会うことができた。そこでも仲良く会話をする彼女たちに今度こそはと声をかけて電車が来るまでの間お喋りをした。
2人は付き合って長く、ベルリンで一緒に住んでいるらしい。
今が1番幸せだと言う2人の姿を僕は記録させてもらった。






U-Bahnというベルリンの地下鉄は様々な人と僕を繋げてくれた。クラシックな雰囲気が残る駅が多いところが好きで、そこを利用する人たちをよく観察していた。





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